研究課題/領域番号 |
07671046
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森信 繁 山形大学, 医学部, 講師 (30191042)
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研究分担者 |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 助手 (00211178)
十束 支朗 山形大学, 医学部, 教授 (80009133)
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キーワード | BDNF / Trk-B / 抗うつ薬 / Phrsphodiesterasc / ストレス |
研究概要 |
Selective noradrenaline uptake inhibitorに属する抗うつ薬desipramine(DSP)・org4428(org)と、Phosphodiesterase inhibitor(PDEI)であるrolipram・Ro 20-1724(Ro)の、単独・併用(抗うつ薬+PDEI)投与による、cAMP情報伝達機能亢進を介したラット大脳皮質(FC)・海馬(HP)内brain-derived neurotrophic factor(BDNF)mRNA発現の変化を、northern blot hybridization法・in situ hybridization法を用いて検討した。上記薬物の急性単独・併用投与時には、有意なBDNF mRNA発現変化はみられなかった。Dsp・org慢性投与によって、HPでの有意なBDNF mRNA発現亢進が得られ、RO慢性投与でもHPにて有意な発現亢進がみられた。抗うつ薬とPDEI慢性併用投与によって、HPでの有意なBDNF mRNA発現亢進が得られたが、抗うつ薬慢性投与及びRoの慢性投与との比較では、有意な亢進は得られなかった。ただし、抗うつ薬とPDEI併用投与によって、各薬剤単独投与時に比して、早期にBDNF mRNA発現亢進の起こることが分かり、PDEIは抗うつ薬の効果を促進する可能性が考えられた。抗うつ薬・PDEIの単独・併用投与の及ぼすTrk-B受容体mRNA発現変化を検討したが、いずれの条件下でも発現に有意な変化はみられなかった。 胎生期ストレス負荷ラットの成熟後に、FC・HPでのBDNF mRNA発現の変化を検討したが、非ストレス下では、特に有意な発現変化はみられなかった。ストレス下での研究では、胎生期ストレス負荷群で正常発達群に比して、発現低下傾向が得られており、今後多数例での検討が必要と思われる。
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