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1995 年度 実績報告書

自閉症の病態を解明するための精神生理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671055
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

松島 英介  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50242186)

研究分担者 太田 克也  東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (20251514)
大久保 善朗  東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (20213663)
キーワード自閉症(自閉性障害) / 精神分裂病 / 探索眼球運動 / 精神生理学 / 認知障害
研究概要

自閉症の病因については現在、社会感情の障害に基づく対人関係の問題が主体であると考えられている。これは日常臨床の対人場面においてもよく見られることで、自閉症児は相手に視線を固定できなかったり、視線を回避したりする。こうした対人場面での視線の動きを探索眼球運動として観客的に捉え、その背景にある認知・行動特徴を検討することによって、自閉症の病態を精神生理学的な面から解明することを目的に本研究を実施した。対象はDSM-III-Rの診断基準を満たす自閉性障害児20名、および年齢をマッチさせた精神分裂病患児20名と健常対照児20名である。方法は被検者を椅子に座らせ、できるだけ不安を取り除いた上で、アイマーク・レコーダを装着し、前方に置いたスクリーン上に3枚の横S字型図形(標的図1枚とこれとは一部異なった図2枚)を順次呈示して、標的図を後で描けるように見てもらう記銘課題、および標的図とは一部異なった図を見せて標的図との違いを尋ねる比較・照合課題を行った。そして、これらの検査を実施しているときの探索眼球運動をビデオテープに記録し、3群の間で比較・検討した。この結果、自閉性障害児では記銘課題時の眼球運動は精神分裂病患児と同様に乏しく、自閉性障害児に認知・行動上の障害が存在することを観客的に確認できた。しかし、自閉性障害児は比較・照合課題時の眼球運動は健常対照児と同様に良好であり、自閉性障害児と精神分裂病患児の認知障害は質的に異なることがわかった。今後は、同じような認知障害を示すと言われている注意欠陥障害児の探索眼球運動についても検討し、今回の結果と比較することによって、小児期の精神障害に見られる認知障害の共通点と相違点について考察したい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Shimazono Y.and Matsushima E.: "Behavioral and neuroimaging studies on schizophrenia in Japan" Psychiatry and Clinical Neuroscience. 49. 3-11 (1995)

  • [文献書誌] 大倉勇史,松島英介,他: "小児・青年期精神疾患患者の眼球運動" 児童青年精神医学とその近接領域. 36. 48 (1995)

  • [文献書誌] 松島英介,竹林宏,他: "精神分裂病患者における探索眼球運動の異常と認知機構" 臨床脳波. 38. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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