研究課題/領域番号 |
07671065
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
山田 尚登 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (50166724)
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研究分担者 |
村下 淳 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80252386)
加藤 忠史 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (30214381)
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キーワード | 躁うつ病 / 磁気共鳴スペクトロスコピー / Magnctic Researce Spectroscopy(MRS) / 脳画像 |
研究概要 |
正常被験者24名および、滋賀医科大学付属病院に入院中または外来通院中で、インフォームドコンセントの得られた双極性障害患者15名について測定を行った。患者は、さまざまな投薬を受けていた。リン磁気共鳴スペクトロスコピー^<31>P-MRS)測定には、GE社製MR装置SIGNAと、同社製表面コイルを用いた。後頭部にコイルを設置し、DRESS法により関心領域を後頭葉視覚野付近に設定した。10Hzの白色光を、光ファイバーにより被験者の眼前に導いた。測定はTR3秒、50回加算(計5分)にて行い、刺激前1回、12分の光刺激中に2回、刺激後に3回の計6回の測定を行った。 正常被験者9名における予備的な検討では、光刺激中にクレアチンリン酸(PCr)が有意に低下していた。うち4名において、光刺激なしでの対照実験を行い、この低下が光刺激の影響であることを確認した。正常者25名の検討では、光刺激中のPCr低下は加齢と共に有意に強くなっていた。双極性障害患者では、光刺激中にはPCrが低下せず、終了後に低下していた。光刺激の有無とPCrとの相互相関係数を求めると、双極性障害群では、正常対照群に比べ有意に低かった。これは、正常者では光刺激と共にPCrが低下するのに対し、双極性障害では異なった位相で脳代謝が変化していることを示すと思われた。また、これらの所見は、薬物の影響とは思われなかった。双極性障害で見られたPCrの低下が遅れるパターンは、正常の加齢変化やミトコンドリア脳症のパターンとも異なっており、双極性障害に特徴的な代謝異常であると考えられた。
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