研究概要 |
1.中枢神経系に発現する新規のCAGリピートを有する遺伝子をPCR法によりクローニングを行い、精神神経疾患候補遺伝子のデータベースの樹立を試みた.クローニングされたcDNAは一部は既知の配列を含むものであったが、多くは未知の配列のcDNAであった。クローニングされたcDNA断片の一部はPCRによるウォキングにより全長のクローニングを試みた。 2.CAGリピートの伸長が細胞や生体に如何なる影響を呈するかを検討するため,トリプレット病の一つであるMachado-Joseph disease(MJD)の原因遺伝子MJD1をRT-PCRによりMJD患者リンパ球RNAより単離した. 3.MJD1をクローニングする過程で2種類の新規のスプライスバリアントが単離されたので,リンパ球と脳におけるそれらのバリアント発現様式をRT-PCRにより検討した. 解糖系酵素であるGAPDHがハンチントン舞踏病原因遺伝子産物であるHuntingtinおよびDRPLA原因遺伝子産物とin vitro で会合すること,またHAP-1がHuntingtinとin vitro で会合することが明かになってきたため,それらの遺伝子を用いたトリプレット病原因遺伝子産物との会合実験とそれら分子の細胞内で相互作用や生体内での挙動を検討するため,GAPDHおよびHAP-1をクローニングし,yeast Two-Hybrid System のVectorに挿入し,相互作用を検討するためのアッセイ系を確立した. 今後の研究展開:データベースを元に染色体マッピングを行うとともに,ポリグルタミンの細胞内での機能を検討する.
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