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1997 年度 実績報告書

加齢による生体リズム機能低下の日中脳機能に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 07671095
研究機関国立精神・神経センター

研究代表者

白川 修一郎  国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 室長 (20100141)

研究分担者 内山 真  国立精神, 神経センター・精神保健研究所, 室長 (20221111)
大川 匡子  国立精神, 神経センター・精神保健研究所, 部長 (80160430)
キーワード不眠 / サーカディアンリズム / 高齢者 / 深部体温 / 活動量 / 意欲
研究概要

我が国の高齢者の 15%以上は、長期不眠に罹患しており、睡眠障害に起因する日中の脳機能低下により社会的意欲が阻害されていることを、平成7〜8年度の本研究の調査で明らかにした。さらに、高齢長期不眠患者の深部体温の連続記録から、睡眠に障害を持たない同年齢の健常者に比べ、長期不眠患者の深部体温リズムの振幅が有意に低下していることを、平成8年度に明らかにした。
長期不眠を呈する高齢者への睡眠薬の長期投与は、副作用や常用量依存等の問題が生じやすく、望ましい医療的改善法ではないことが、国内外の専門家より指摘されている。そこで、平成9年度には、長期不眠愁訴を有する高齢者を対象として、睡眠衛生の視点からの改善法の開発を試みた。
軽度・中等度の睡眠維持の障害を呈する67〜78歳の男女6名を対象として、アクチグラフによる活動量を連続7日間測定した後、高齢者での深部体温リズム頂点位相近傍の13〜14時の間に、30分間の昼寝を連続10日間計画的に付加し、夜間睡眠前の覚醒状態と夜間睡眠の改善効果を検証した。計画的昼寝条件下での入眠時刻と起床時刻は、有意に後退していた。夜間の総睡眠時間には、両条件間で差は認められず、中途覚醒は計画的昼寝条件下で有意に減少、睡眠効率は有意に改善していた。17時〜21時の間の覚醒状態は、睡眠の混入が有意に減少し改善していた。頂点位相近傍での計画的な短時間の昼寝は、夕方の眠気を減少させ、夜間の睡眠相を後退させるともに、主睡眠の質的改善効果を示すことが判明した。この主睡眠の質的改善に伴って、起床時の睡眠感はすべて有意に改善しており、高齢者の長期不眠患者に対する治療法の一つとして、計画的昼寝による生活改善技術が有用であることが、新たに判明した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 白川修一郎 他: "高齢者の睡眠" 睡眠と環境. 4・1. 44-50 (1997)

  • [文献書誌] 白川修一郎: "睡眠の役割" ブレインナーシング. 13・3. 245-249 (1997)

  • [文献書誌] 白川修一郎: "発達、老化と睡眠" ブレインナーシング. 13・5. 430-436 (1997)

  • [文献書誌] 鍛冶恵,有富良二,白川修一郎: "都市部サラリーマンの睡眠習慣と睡眠環境" 第6回日本睡眠環境学会大会報告集. 14-17 (1997)

  • [文献書誌] 白川修一郎: "入眠を促進する高齢者のライフスタイル" 第6回日本睡眠環境学会大会報告集. 48-52 (1997)

  • [文献書誌] 白川修一郎: "睡眠衛生" ブレインナーシング. 14・2. 166-171 (1998)

  • [文献書誌] 白川修一郎,高橋清久: "睡眠障害に関する疫学的事項" 日本臨床. 56・2. 475-481 (1998)

  • [文献書誌] 白川修一郎,高瀬美紀: "睡眠障害と健康被害・経済損失" 臨床と薬物治療. 17・3. 222-226 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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