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1995 年度 実績報告書

NIDDMにおけるCaveolae型インスリンシグナル複合体機能異常の分子機序

研究課題

研究課題/領域番号 07671100
研究機関東北大学

研究代表者

豊田 隆謙  東北大学, 医学部, 教授 (40003628)

研究分担者 鈴木 進  東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70216399)
キーワードインスリン / 糖尿病 / インスリン受容体
研究概要

Caveolaeは細胞膜直下に存在する,直径50-100nmの小胞構造である.最近CaveolaeにInositol-glycan(IG)とdiacylglycerol(DAG)の前駆体であるPhosphatidylinositol-glycan(PIG)やPIGアンカー蛋白,チロシンキナーゼ,三量体,低分子G蛋白などシグナル蛋白が豊富に集族することが明らかになり,Caveolaeが細胞外から細胞内へシグナルを伝達するシグナル複合体機能を有することが明らかになった.我々は本研究においてインスリン作用発現におけるCaveolaeの役割を検討した.
我々は3T3-L1細胞にインスリンを加えるとインスリン受容体は細胞膜からCaveolaeへと速やかに移動し,それに平行してインスリン濃度依存的に遊離型PIGが減少,細胞内IGとDAGが増加することを発見した.PI-3キナーゼ,GLUT4,Cキナーゼzettaはインスリン非添加前はCaveolaeに存在し,インスリン刺激により速やかに細胞膜へ移行した.またCaveolaeのマーカー蛋白,Caveolinがインスリンにより特異的にチロシンリン酸化された.Caveolaeはインスリン作用発現に重要な細胞内trafficの場であることが明らかになった.インスリン抵抗性NIDDMモデル動物,KK-AYマウスおよびGKラットの脂肪細胞では,インスリン依存性のCaveolinチロシンリン酸化は著明に低下し,かつインスリン受容体のCaveolaeへのinternalizationの障害を認めた.以上の検討により,IGとDAGをセカンドメッセンジャーとするリン脂質シグナルの作用発現部位がCaveolaeであり,NIDDMのインスリン抵抗性にCaveolaeの機能異常が関与することが初めて明らかになった.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hinokio Yoshinori: "A New mitochondrial DNA deletion associated with diabetic amyotrophy." Nerve Muscle. 107. 142-149 (1995)

  • [文献書誌] Takahashi Kazuma: "Analysis of mechanism of action of lymphotoxin on prevention." J. Autoimmunity. 8. 335-346 (1995)

  • [文献書誌] Takahashi Kazuma: "Reduced expression of c-For in female NOD mice thymocytes." Cell Immunol.164. 287-294 (1995)

  • [文献書誌] Kashimura Jun: "The effect of helodermin in rat dispersed pancreatic acini" Pancreas. 10. 161-166 (1995)

  • [文献書誌] Hirai Msashi: "Mitochondrial DNA 3394 mutation associated with NIDDM" Biochem. Biophys Res. Commun.(1996)

  • [文献書誌] Suzuki Susumu: "Effect of manidipine and delapril on insulin sensitivity." Diabetes Res Clin. Practice. (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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