研究課題/領域番号 |
07671125
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村田 善晴 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (80174308)
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研究分担者 |
長屋 敬 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (80262913)
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00211871)
妹尾 久雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (40135380)
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キーワード | 甲状腺ホルモン / クローニング / ヒト / 線維芽細胞 |
研究概要 |
我々は、mRNAのdifferential displayという技法を用いて、ヒト皮膚線維芽細胞における甲状腺ホルモン応答性遺伝子,ZAKI-4のクローニングに成功した。そして、平成7年度の研究においてトリヨードサイロニン(T3)の添加によりZAKI-4mRNAの発現は、12時間以内に濃度依存性に増加することや、ZAKI-4mRNAは脳、心臓、肝、骨格筋でも発現することを示した。また、ZAKI-4cDNAの全長のクローニングに成功し、ZAKI-4蛋白の一次構造を明らかにした。そこで、平成8年度は、(1)T3によるZAKI-4mRNAの増加が如何なる機序で発現するか、(2)甲状腺ホルモン不応症患者から得られた線維芽細胞ではT3は如何にZAKI-4mRNAの発現を調節しているかを明らかにし、さらに(3)ZAKI-4遺伝子の調節領域のクローニングによりその塩基配列を解析することを目的とした。その結果、線維芽細胞に於いてT3添加によりZAKI-4の転写が促進され、ZAKI-4mRNAが増加することがが示されたが、その転写の促進にはde novoの蛋白合成が必要であることが明らかとなった。また、β型のT3受容体遺伝子を欠失した甲状腺ホルモン不応症患者から得られた線維芽細胞でもT3はZAKI-4mRNAを健常人の線維芽細胞とほぼ同様に増加したことから、ZAKI-4mRNAの発現に関してはα型の受容体のみでも調節され得ることが示された。一方、promoter finder^<TM>によりZAKI-4遺伝子の転写開始点の上流約2kbのクローニングにも成功し、その塩基配列を決定した。
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