研究概要 |
1.腸間膜脂肪細胞、腹壁皮下脂肪細胞、後腹膜脂肪細胞におけるacyl-CoA合成酵素及びlipoprotein lipaseのmRNA量はOLETFラットとLETOラットで有意差がなかった。また、OLETF運動群、OLETF食事制限群における両酵素のmRNA量もsedentary OLETFに比し、有意差がなかった。どの群においても、後腹膜脂肪における両酵素のmRNA量はほかの脂肪部位の値に比し高値であった。 2.OLETFラットにおけるGIRはLETOラットの約50%に低下し、インスリン抵抗性を示した。OLETFラットはLETOラットに比し、肝の糖放出量は有意に高値、筋肉の糖取り込み量は有意に低値を示し、肝臓、筋肉組織での両抵抗性がみられた。なお、脂肪組織での糖取り込み量は群間で有意差が認められず、またその取り込み量も筋肉の10〜15%であった。 OLETF70%食事制限群におけるGIRはsedentary OLETFに比し有意に増加したが、筋肉の糖取り込み量、肝の糖放出量には差がなかった。 3.OLETF,LETOの末梢および門脈血中FFA濃度は、それぞれ1393±107,1139±95(OLETF),1070±85,1018±117(LETO)μEq/lで、OLETFが高値であるが、門脈血が特に高値ではなかった。従って、OLETFのインスリン抵抗性が腹腔内脂肪貯留それによる門脈血高FFA血症に由来するとは結論し得ず、他に原因を求める必要が生じた。
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