研究概要 |
マウス膵島cDNAライブラリーの雌NODマウス血清による免疫スクリーニングで得られた2個のクローン(C17,C18)につき検討を行った。C18の塩基配列はマウス・クロモグラニンAの596-1892に一致した。C17の塩基配列には,poly(A)部分と46個のアミノ酸配列に相当するopen reading frameが確認されたが,その本体は明らかではない。しかし,ヒト膵においてもにもC17と高い相同性を有するmRNAが存在することを見出し,その部分配列をクローン化して検討中である。 マウス・クロモグラニンAをin vitro translation/transcriptionで合成し^<35>Sでラベルして抗クロモグラニンA抗体のRIA系を作成した。しかし,10週齢雌NODマウスにおける抗クロモグラニンA抗体の頻度は約10%と低率であった。。C17抗原に対するRIAも同様にして作成したが,未だ十分な検出感度が得られていない。また,ヒト膵島cDNA libraryの免疫スクリーニングで得られたICA512(IA2)についても同様のRIA系を作成し,ヒトIDDMにおける意義をGAD抗体と比較して検討した。ICA512抗体は若年IDDMで高率であったが,GAD抗体とは異なり成人発症例では低率であった。また,急性発症のIDDMにおいては陽性率が37%と高く,slowly progressive IDDMでは6%と低率であった。ICA512抗体価は発症後5年以内に急速に低下し,急激なβ細胞破壊と関連するものと考えられた。
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