研究課題/領域番号 |
07671170
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
矢島 由紀子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (60090114)
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研究分担者 |
秋田 朗子 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 遺伝情報研究部門, 研究員 (40124432)
佐藤 真友美 財団法人 東京都臨床医学総合研究所, 化学療法研究部門, 研究員 (50124459)
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キーワード | G蛋白質 / Go / αサブユニット / 脂肪細胞 / 分化 / 分化転写因子 / 抗糖尿病薬 |
研究概要 |
本年度はマウス乳腺由来前脂肪細胞ST-13とマウス胎児由来前脂肪細胞3T3-L1の脂肪細胞への分化におけるG蛋白質の役割を解析した。ST-13と3T3-L1は共にペルオキシソーム増殖作用を有する抗糖尿病薬チアゾリジン誘導体(ADD)によって著しく脂肪細胞へ分化誘導された。脂肪細胞の分化転写因子のPPARγおよびC/EBPαや、脂肪細胞の分化マーカーの脂肪酸結合蛋白質aP2,セリンプロテアーゼadipisinのmRNAの発現について、両細胞をADD処理して10日目の細胞と対照の未処理の細胞でNorthern blotting法で比較した。ADDを処理して脂肪細胞に分化したST-13細胞では、adipisinは10倍、aP2は19倍のmRNAの発現が上昇した。PPARγとC/EBPαのmRNAは前脂肪細胞の状態で弱く発現しており、ADD処理してもほとんど変化がなかった。3T3-L1細胞においても、ST-13細胞と同様にadipisinとaP2のmRNAの発現が分化することにより著しい上昇を示した。しかしPPARγとC/EBPαのmRNAはST-13と異なり、分化に伴って2から3倍の上昇を示した。ST-13は脂肪細胞に分化するとGoαが増加するが、3T3-L1の脂肪細胞への分化はGiαが関与することが知られている。以上の結果、ST-13細胞と3T3-L1細胞では脂肪細胞への分化機構に違いがあることが示唆された。
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