研究課題/領域番号 |
07671174
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
石川 信泰 千葉大学, 医学部, 助手 (80271576)
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研究分担者 |
三浦 信之 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
角田 治美 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
太田 節雄 千葉大学, 医学部・附属病院, 医員
布施 晃 国立予防衛生研究所, 安全性研究部, 室長 (60110300)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | トロンボポエチン / c-Mpl / 受容体 / 巨核球 / 結合 / シグナル伝達 / Tyk2 |
研究概要 |
当科の佐藤らが樹立した巨核球系細胞株CMK、CMSおよびCTSを用い、トロンボポエチン(TPO)の反応性、親和性およびシグナル伝達について検討した。CMK、CMSおよびCTSを1%FCS添加RPMI培地にTPO(米国ジェネンテック社より分与)を1ng/ml、10ng/ml、100ng/mlの濃度で添加して培養したところ、CMKにおいては濃度依存的に増殖が促進されたが、CMSおよびCTSは全く影響されなかった。同様の実験を^3H-thymidineの取り込み法により検討したが、同様の結果が得られた。ついでTPOの分化誘導について血小板特異抗体CD61を用いFACSにて同様に検討した。CMKについてはその発現が増加したが、CMSおよびCTSについては発現に変化がなかった。TPOの受容体であるc-Mplの発現をc-Mpl抗体を用いFACSにて検討し、全ての細胞表面で発現が認められた。 ^<125>I-TPO(米国ジェネンテックより分与)を用いCMK、CMSおよびCTSについて15゚CにてTPO結合ついて検討した。^<125>I-TPOの細胞への特異的結合は^<125>I-TPO単独(総結合)と100倍量の非ラベルTPO同時混合(非特異結合)の差とした。培養時間は2時間とした。CMKを0.2nM^<125>I-TPOと0.002nMより200nMの非ラベルTPOと混合し^<125>I-TPO結合の阻害を検討したところ、0.2nMの非ラベルTPOにてほぼ50%阻害され、ラベルにより結合能が変化しない事が示された。CMKにおける^<125>I-TPOの親和性(Kd)および受容体数をスキャチャード分析を用い検討した。CMKは単一受容体を保有し、受容体数は細胞当たり1223個、Kdは223pMであった。CMSも125I-TPOの結合を認めた事より、何らかのシグナル伝達異常の可能性が示された。Tyc2の活性化はCMK,CMS両者で認められた。しかしCTSは全く^<125>I-TPOとの結合は認められず、Tyk2の活性化も無かった事より、何らかの受容体異常の可能性が示された。健康成人の骨髄より分離した巨核球についても同様に検討した結果、受容体は単一で、数は12140/細胞であり、Kdは749pMであった。 以上よりCMKはTPOの結合と反応の研究に、CMSはシグナル伝達の研究に、そしてCTSは受容体異常の研究に有用と思われた。
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