研究課題
基盤研究(C)
2年間における研究の成果としては、4つの項目のうちの一項目、即ち平滑筋ミオシンのLMMの機能ドメインの評価ができたことである。これについては、McAbの認識部位のアミノ酸配列を決めるプロジェクトを進行させている。我々は既に、1987-1988にかけて、平滑筋ミオシンの重鎖のkight meromyosin (LMM)に対するモノクロナル抗体を7 clone作成していたので、今回はこの抗体を用いてLMMのfunctional domainについての解析を進めた。抗LMM抗体7クローンのうち電子顕微鏡でも認識部位が確認できた5クローンのなかで、LMMの中央部位を認識するMM8とC末端付近を認識するMM16およびMM19について、ATPase活性とフィラメント形成への影響を調べた。いずれの抗体もATPase活性には影響しなかった。フィラメント形成に対しては、MM8のほうがMM16、MM19よりも抑制が強かった。したがって、ミオシンのフィラメント形成には少なくともLMMの中央付近のほうがC末端よりも重要であることが示唆された。チオリン酸化ミオシンはすべてIgM抗体であったが実際には非リン酸化ミオシンも同程度に認識(immunoblotting法および超遠心法にて確認)することが判明した。今後もミオシン結合型脱リン酸化酵素に対するモノクロナル抗体やヒト血小板ミオシンよりチオリン酸化ミオシンの抗体を作成することにより多くの蒸発がえられるので、今後も継続したいと考えている。酸化ビメンチンのMcAbはすでに共同研究者の稲垣によって作成されていたので種々の細胞で検討できた。局在は単核の血液細胞では細胞質内にびまん性に局在していた。興味有ることに巨核球および分裂期においては、核の周囲に強く認められた。核分裂および細胞質分裂のある時期に重要であることは推測できた。遺伝子導入に関しては、MLCK、ミオシン重鎖および軽鎖のcDNAおよびそれらのmutant geneの供与を受けているので、今後も進行させたい。
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