白血病にみられる染色体転座の中の9;22、8;21、15;17、11q23転座を転座点上のプローブを用いて、間期核上で検出できるようにした。この方法を9;22転座をもつ慢性骨髄性白血病 54例(その内、17例はインターフェロン治療例、32例は骨髄移植例)、8;21転座をもつ急性骨髄性白血病 18例(その内、16例はB-DOMP治療例、3例は骨髄移植例)、15;17転座をもつ急性骨髄性白血病 14例(その内5裂はB-DOMP療法、2例はBMT例)、11q23転座をもつ急性骨髄性白血病8例、9;22転座を持つ急性リンパ性白血病 5例の合計99例を対象とした。その結果、FISH法は初診時の迅速な診断や、治療効果判定に有用であることがわかった。また、FISH法は従来の骨髄標本の観察、染色体分析法より感度がよいために経過観察例の中の5例においては再発の予知も可能であった。
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