研究課題/領域番号 |
07671210
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小田 健司 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (90211143)
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研究分担者 |
下村 壮司 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (20263741)
兵頭 英出夫 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (30253074)
藤元 哲郎 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (00221549)
藤村 欣吾 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (80034114)
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キーワード | 血小板減少性紫斑病 / T細胞受容体クロノタイプ / Single-strand conformation polymorphism / T細胞株 / 自己免疫疾患 |
研究概要 |
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)患者におけるT細胞異常を検出する目的で、患者末梢血単核球よりReverse transcriptase (RT)-polymerase chain reaction (PCR)によってT細胞受容体(TCR) beta鎖complementarity determining region 3(CDR3)領域を増幅し、Single strand conformation polymorphism (SSCP)解析を行った。その結果、ITP患者ではT細胞のクローン性増殖を示す明瞭なバンドが健常人対照と比較して、複数のVb遺伝子において有意に増加していた(ITP患者で平均15.5、標準偏差8.9、健常人で平均2.8、標準偏差2.6、P<0.01)。特に頻度の高い傾向にあった遺伝子群はVbeta3、6、10、13.1および14.1であった。これらのバンドがクローン性のT細胞由来であることを確認するために患者末梢血単核球をIL-2およびPHAによって非特異的に刺激した後、当該患者の脾摘によって、得られた脾細胞やEBVトランスフォームB細胞株をfeederとして限界希釈によっていくつかのT細胞株を得、それらのクロノタイプを上記のSSCPによって解析し、患者末梢血単核球で得られた結果と比較した。2人の患者より得られたT細胞株はいずれもCD4single positive細胞であり、クロノタイプ解析した7つのT細胞株のうちVbeta6、13.1、あるいは14のクロノタイプをもつ3つは末梢血で見いだされたものと一致した。以上のことよりITP患者ではT細胞クローン集積が高頻度に認められ、自己免疫による血小板の破壊亢進機序への関連が示唆された。今後はこれらT細胞の抗原エピトープやIL-4・IFN gammaといったサイトカインの産生を解析することによりITP患者における病態解析を進めていきたい。
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