研究計画に従って以下の実験を行った。マウスType 2 Plasminogen activator inhibitor (PAI-2) cDNAをクローニングした。その情報をもとに、PAI-2のin vivoにおける産生を明らかにするために、マウスの骨髄を含めた種々の臓器よりRNAを抽出し、マウス臓器でのPAI-2のmRNAの増加や減少をRT-PCRを用いた微量定量法により定量し、さらにPAI-2産生細胞については免疫組織化学的手法やin situ hybridizationにより検討した。その結果、PAI-2の発現は基本的に種類の細胞(マアクロファージと表皮細胞)にみとめられた。妊娠、発生との関係は妊娠マウスや胎児マウスを用い、PAI-2のmRNAの発現を母マウスの臓器、胎児マウス、胎盤においてRT-PCRを用いたmRNA定量法によりまた、臓器、組織レベルでの検討は免疫組織化学的手法やin situ hybridizationにより検討した。その結果、胎児マウスではPAI-2は皮膚表皮細胞のみに限定して発現していた。これらのデータは投稿中である。また、PAI-2の生体内での機能を探るため、PAI-2遺伝子を欠損するノックアウトマウスを作製するためにPAI-2遺伝子をクローニングした。制限酵素マップと遺伝子塩基配列を検討することでPAI-2遺伝子の構造を決定した(これらのデータは投稿中)。これらの情報をもとに、マウスPAI-2遺伝子の一部(複数のエクソン)をネオマイシン耐性遺伝子と置換し、末端にチミンジンキナーゼ遺伝子を配置したターゲッテイングベクターを作製した。現在ターゲッティングベクターをES細胞に導入する実験を施行している。
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