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1996 年度 実績報告書

発作性夜間血色素尿症における造血幹細胞の分化とPIG-A遺伝子の変異に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671226
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

金丸 昭久  兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (70068534)

キーワードPNH / 幹細胞 / GPIアンカー / CD59 / PIG-A遺伝子
研究概要

再生不良性貧血(再不貧)から発作性夜間血色素尿症(PNH)へ移行する例がみられ、再不貧症例でPNHに特徴的なGPIアンカー型蛋白の欠損血球を認める場合がある。再不貧および骨髄異形成症候群(MDS)を対象に前駆細胞レベルでPNH表現型を示す異常がどの程度認められるのか、これらの異常はPNHと同様にPIG-A遺伝子の変異に基づくのか検討した。末梢血球、骨髄細胞および培養後に形成されたコロニー/バーストにおけるCD55、CD59等のGPIアンカー型蛋白の発現をフローサイトメトリーで解析した。陰性細胞からDNAを抽出し、PIG-A領域をPCR法で増幅後、Heteroduplex形成法で変異の有無を明らかにした。結果は、再不貧21例中10例(48%)、MDS22例中1例(5%)にGPIアンカー蛋白陰性細胞をみとめた。再不貧3例とMDS例では、末梢血球および骨髄細胞には陰性分画をまったく認めなかったが、コロニー/バーストでのみPNH型異常が観察された。再不貧と診断された1例は3年後に臨床的に溶血徴候がみとめられPNHへの移行が確認された。この症例は再不貧の時点でコロニー/バーストにおいてのみGPIアンカー型蛋白の欠損が認められたが、PNH移行時には末梢血球、骨髄細胞にも陰性分画がみとめられた。再不貧時の陰性コロニーからDNAを抽出し、PIG-A領域をPCRで増幅し、Heteroduplex法にてこの遺伝子の変異を比べてみると、PNH移行後の異常顆粒球および陰性コロニーにおける変異PIG-Aと同一の異常であることが判明した。以上の結果から、再不貧からPNHへの病態移行は、異常前駆細胞が比較的長期にわたって骨髄中に潜在し、ある時点からなんらかの機序により増殖、分化が速まり、その結果、異常クローンの比率が増大することに依ってPNHとしての臨床像を完成させていく過程が推定された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Nishimura,A.Kanamaru,et al.: "Flow cytometric analysis of homologous restriction factor 20KD(HRF20) expression on progeny cells during differentiation from hemopoietic progeniotrs in PNH" Br J Haematol. 90. 293-299 (1995)

  • [文献書誌] J.Nishimura,et al.: "A patient with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria bearing four independent PIG-A mutant clones" Blood. (in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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