研究課題/領域番号 |
07671243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伏見 清秀 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (50270913)
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研究分担者 |
佐々木 成 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (60170677)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 水チャネル / AQP2 / バゾプレシン / 集合尿細管 / 尿濃縮機構 / urine concentration / trafficking / exocytosis |
研究概要 |
バゾプレシン水チャネルAQP2の構造解析を遺伝子工学の手法を用いてすすめた。AQP2の構造上重要と考えられる部分を、他の類似チャネル、大腸菌のグリセロール輸送体GlpF、水晶体の非特異的輸送体MIP等と組み換えた。その遺伝子組換えキメラ体を細胞に発現させ、各部位の構造機能連関を推測する手法を用いて検討した結果、AQP2の立体構造が明らかとなった。すなわち、6つのαヘリックス構造の膜貫通部が並んで類円筒形の水透過孔を形成し、細胞外側と細胞質側とに第3、第4番目の親水性ループが内腔へ入り込む形で、水分子を選択的に透過させる狭窄部を構成するとする構造である。この構造では第3番目と第4番目の親水性ループが選択的水分子透過性に重要な働きをしていると考えられる。 さらに、アフリカツメガエル卵、腎由来培養上皮細胞を用いて検討を進めた結果、AQP2カルボキシル端の細胞内ドメインが細胞膜発現に重要な働きをしてることが明らかとなった。特に、AQP2はバゾプレシン刺激で管腔側幕表面へ移送されることがわかっているが、AQP2の細胞内トラフィッキングにおけるカルボキシル端の役割の重要性が示された。AQP2カルボキシル端にはタンパクリン酸化酵素Aキナーゼにリン酸化されるセリンがあり、この部位の構造変異体を上皮細胞に発現させると、バゾプレシンによるトラフィッキングがみられなくなることを明らかとした。これは、AQP2を運ぶ細胞内小胞移送機構が、いわゆる小胞関連タンパク分子を介しての調節のみではなく、移送されるチャネルタンパクのリン酸化を介しても調節を受けることを示したという点で、大変意義深いと考えられる。
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