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1995 年度 実績報告書

急性尿細管壊死からの回復促進因子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671246
研究種目

一般研究(C)

研究機関浜松医科大学

研究代表者

菱田 明  浜松医科大学, 医学部, 助教授 (70111812)

研究分担者 藤垣 嘉秀  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 医員
大石 和久  浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (90211094)
キーワード急性腎不全 / 虚血性腎障害 / アポトーシス / 細胞増殖
研究概要

我々は、ラットの一側の腎動脈閉塞による虚血性腎障害は反対側の腎摘出により軽減されることを報告してきた。今回はその機序を解明する目的で、雄SDラットを用い、右腎を摘出した腎摘群と偽腎臓群の2群について、左腎動脈閉塞(60分)後の虚血性腎障害を両群で比較検討した。その結果、腎摘群では偽腎摘群に比し、(1)尿細管障害の程度が軽度であり(障害の半定量的評価の指数では2.29±0.23 VS 0.90±0.23)、(2)尿細管細胞の増殖の指標であるPCNAが早期より、強く誘導される(24時間時点で2倍以上)、(3)虚血腎にアポトーシスがみられる(核小体の濃縮と核の分裂で特徴づけられるアポトーシス細胞の出現、とDNAのladder現象で確認した)が、その程度が軽い(アポートシス細胞の数は12時間時点で腎摘群は偽腎摘群の60%程度であり、DNAのladder現象の強さは24時間時点で約1/4であった)、(4)腎組織内c-fos,c-mycのmRNAの発現は両群間でその時間的経過、発現量に差を認めなかった。
以上の結果から、(1)虚血性腎障害にはアポトーシスが関与する可能性があること、(2)虚血性腎障害が反対側の腎を摘出することにより軽減される機序には、(1)虚血によるアポトーシスの程度が軽減されること、(2)障害からの回復が促進されている、ことなどが関与していることが明かとなった。さらに(3)アポトーシスや細胞増殖に関係するとされているc-fos,c-mycなどのproto-oncogeneが虚血性腎障害軽減に関与している可能性は少ない、ことなどを明らかにした。
現在、Northern blot hybridization法により、EGF,IGF-1,HGF,TGF-β,のmRNAの測定を行いつつある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] AKIHIKO KATO: "Role of thromboxane A_2 and prostacyclin in uninepherctomylnduced attenuation of ischemic renal injury" Kidney International. 48. 1577-1583 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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