研究課題/領域番号 |
07671250
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
太田 善介 岡山大学, 医学部, 教授 (90032870)
|
研究分担者 |
林 佳子 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
四方 賢一 岡山大学, 医学部, 助手 (00243452)
槇野 博史 岡山大学, 医学部, 助教授 (50165685)
|
キーワード | 腎臓 / 糸球体 / 基底膜 / 電子顕微鏡 / tissue negative staining / 糖尿病 / ネフローゼ症候群 / タンパク尿 |
研究概要 |
1)糖尿病性腎症患者の腎生検組織を用いた、糸球体細胞外マトリックスの超微細構造の変化の検討 糖尿病性腎症患者の腎生検組織を通常の方法で固定包理し超薄切片を作製し、ナトリウムエチラートによって脱包理し、リンタングステン酸によってネガティブ染色を行い、透過電子顕微鏡で観察した。その結果、糖尿病性腎症患者の糸球体基底膜では、主にtypeIVコラーゲンによって形成される微細な網目構造の拡大が認められた。また、網目構造の破綻により糸球体基底膜を貫通するトンネル構造が認められた。以上の結果から、糖尿病性腎症における蛋白尿の原因は、糸球体基底膜の網目構造の破綻であることが明らかになった。 2)糖尿病モデルラットの腎組織を用いた、糸球体細胞外マトリックスの超微細構造の変化の検討 streptozotocinを投与してインスリン依存性糖尿病を惹起したラット(STZ糖尿病ラット)とインスリン非依存性糖尿病のモデルであるOLETFラットの腎組織を用いて、1)と同様の方法で電顕により観察した。その結果、STZ糖尿病ラットとOLETFラットの糸球体基底膜には、経時的に網目構造の拡大が認められた。OLETFラットの糸球体細胞外マトリックスの変化を免疫組織学的に検討した結果、typeIV、V、VIコラーゲン、フィブロネクチンの増加が認められた。OLETFラットの糸球体基底膜は、経時的に肥厚し、網目構造の拡大とともにトンネル構造も認められた。以上の結果から、糖尿病性腎症における蛋白尿の原因は、糸球体基底膜の網目構造の破綻であることが明らかになった。
|