研究概要 |
1)除睾により腎障害が抑制されることをこれまで報告してきたが、この抑制効果が除睾年齢時期により差が認められるかどうかを腎摘ラットモデルを用いて検討した。生後6週、12週、24週でそれぞれ除睾をおこない生後12ヶ月に病理学的に検討した。6週、12週までは抑制効果が認められたが、24週の除睾では腎障害に大きな差は認められなかった。除睾の効果は加齢とともに減弱しラットでは24週でその効果がなくなることが示された(Nephron1997,75:342)。 1)除睾により腎障害が抑制されることをこれまで報告してきたが、この抑制効果が除睾年齢時期により差が認められるかどうかを腎摘ラットモデルを用いて検討した。生後6週、12週、24週でそれぞれ除睾をおこない生後12ヶ月に病理学的に検討した。6週、12週までは抑制効果が認められたが、24週の除睾では腎障害に大きな差は認められなかった。除睾の効果は加齢とともに減弱しラットでは24週でその効果がなくなることが示された(Nephron1997,75:342)。 2)卵巣摘出雌SHCラットでは生後24週では腎障害が増強し、卵巣は腎障害に対して抑制的に働いていると考えられた。卵巣摘出雌SHCラットに補充実験としてエストロゲンを投与した。正常雌血中濃度にやや満たない少量投与では腎障害はさらに増悪した。一方その2倍量投与群は血中濃度は正常よりやや上昇し、腎障害も正常雌群と同等近くまで抑制された。エストロゲン補充によりGHは著しく上昇した。今までの実験と今回の実験結果よりエストロゲンには二つの相反する作用があることが想定された。一つはエストロゲンの直接作用による腎障害抑制作用、二つはGHを介する腎障害障害作用。この二つのバランスによりエストロゲンの腎に対する作用が決定されると考えられた。 3)エストロゲンの分泌が低下する人でいう閉経期にあたる時期よりエストロゲンを補充投与しその効果を検討した。血中濃度に影響を与えないぐらいの微量投与にもかかわらずエストロゲン投与により腎障害は増強した。エストロゲンによるGH上昇を介する腎障害障害作用が関与していると考えられた。 4)摘卵巣ラットへエストロゲンのみの投与では腎障害は増強したが、テストステロンを同時に投与すると腎障害は正常雌ラットレベルまで抑制された。卵巣の腎障害抑制作用にエストロゲン以外の性ホルモンも関与していることが示唆された。
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