1.メサンギウム細胞の培養とクローンの樹立。 若年Wisterラットの腎臓より、シービング法を用いて糸球体を単離し、培養メサンギウム細胞を樹立した。このメサンギウム細胞から、限界希釈法によりクローン化メサンギウム細胞株を樹立した。 2.メサンギウム細胞へのc-fos、c-jun遺伝子の導入 マウスのc-fos、c-jun遺伝子を発現ベクターpRc/RSVに導入した。この導入遺伝子を、1.で樹立したクローン化メサンギウム細胞株にtransfectした。transfectionにlipofectinを使用した。その結果、c-fos、c-junを常時高産生するstable transfectant株を樹立した。またコントロール株として、c-fos、c-junのアンチセンスをtransfactした細胞株を得た。 3.Northern analysisで検討する限りにおいては、コントロール株においてもc-junの発現がそれ自体で高く、c-junのtransfectionのみで十分なAP-1の誘導ができる可能性が示唆された。 4.c-junのtransgenicマウスの入手が可能な見込みなので、このマウスより培養メサンギウム細胞株を樹立し、コントロールマウスの培養メサンギウム細胞株と動態を異にするかを検討する計画がある。
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