1.ペプチドを用いたアフィニティカラムで抗Wnt-1タンパク抗体を精製した。 Wnt-1タンパクのアミノ酸241から256にたいするウサギ抗ペプチド抗血清を作製し、上記ペプチドをコンジュゲートしたアフィニティカラムで抗体を精製した。SDS-PAGEを用いて、この抗体をWnt-1タンパク産成細胞(コロンビア大学Kitajewski博士より供与)の培養上清と反応させたところ、44KDのWnt-1タンパクを認識していることが明らかになった。また、この抗体は、ラット初期胚の神経管のdorsal域と、生後26日のラット精巣中の精細胞を認識した。 2.上記抗体によりラット神経管の形態形成が阻害されることを確かめた。 上記抗体を添加した培養液中でラット胚を培養したところ、神経管のventral域の変形が観察された。 Wnt-1タンパクの精製を行っている。 SDS-PAGEを用いて、上記抗体をラット胚の神経管と反応させたところ、44KDタンパク以外に、分子量の異なる複数のタンパクと反応した。これらのタンパクがWnt-1タンパクと関連しているのか否か調べるために、また、上記抗体をより精製するために、コロンビア大学Kitajewski博士より供与されたWnt-1タンパク産成細胞を用いてWnt-1タンパクの精製をおこなっている。
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