• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

ほ乳類脳形成の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 07671282
研究機関愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所

研究代表者

松田 素子  愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所, 発生学部, 主任研究員 (40165832)

キーワードラット / 初期発生 / 脳形成 / Wnt-1 / 血管形成 / 卵黄のう / 全胚培養
研究概要

1.wnt-1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを添加した培養液中で、ラット初期胚を全胚培養した。Wnt-1タンパクのアミノ酸247から252に対する部分の18merを用いた。
結果:wnt-1対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(0.001μM)は、ラット胚卵黄嚢の血管形成を阻害した。胚は小さく、大動脈、卵黄動脈に血球が滞留し、囲心腔は拡張していた。脳胞形成等は正常で、β-カテニン、2H3染色のパターンは対照胚と同様であった。
2.抗Wnt-1ペプチド抗体を添加した培養液中で、ラット初期胚を全胚培養した。作成した抗Wnt-1ペプチド抗体の中の、ラット胚組織中の82kDaの物質のみを認識する抗体を用いた。
結果:低濃度の抗体(1μg/ml)処理で、アンチセンスオリゴヌクレオチド処理と同様の結果が得られた。
3.抗b-FGF抗体、および、抗FGF-5抗体を添加した培養液中で、ラット初期胚を全胚培養した。抗b-FGF抗体と抗FGF-5抗体は市販のものを用いた。
結果:両方の抗体とも、1μg/mlあるいは10μg/mlの濃度においても胚発生は正常で、卵黄嚢の血管形成阻害は見られなかった。
以上の結果から、Wnt-1はラット卵黄嚢の血管形成に機能していることが示唆される。Wnt-1はFGFとは異なった機構で血管新生に関わっているのであろう.wnt-1はマウス乳ガンから単離された。ガンには血管新生が付随している。Wnt-1のシグナルは、細胞接着、細胞質突起形成、管形成に関わり、血管形成にも関わっていると思われる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Matsuda,M.et al.: "An open cephalic neural tube reproducibly induced by cytochalasin D in rat embryos in vitro." Zool.Sci.11. 547-553 (1994)

  • [文献書誌] Matsuda,M.et al.: "Axial rotation in rat embryos : involvement of changes in the shapes and arrangement of cells." Cell Struc.and Func.20. 1-12 (1995)

  • [文献書誌] Katoh-Semba,R.et al.: "Chondroitin sulphate proteoglycans in the rat brain : candidates for axon barrieres of sensory neurons and the possible modification by laminin of their actions." Eur.J.Neurosci.7. 613-621 (1995)

  • [文献書誌] Matsuda,M.et al.: "A possible role of the nestin protein in the developing central nervous system in rat embryos." Brain Res.723. 177-189 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi