研究課題/領域番号 |
07671309
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
加藤 逸夫 徳島大学, 医学部・附属病院, 教授 (60035409)
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研究分担者 |
佐藤 厚 高知女子大学, 家政学部, 教授 (60178704)
北川 哲也 徳島大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80240886)
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キーワード | リンパ浮腫 / (リンパ浮腫)動物モデル / リンパ球注入療法 / 間質組織内蛋白分解 / 二次元電気泳動法 / β_2-マイクログロブリン |
研究概要 |
生後12カ月のイヌ(ビ-グル犬)を用い、二次性リンパ浮腫作成を試みた。しかし、慢性リンパ浮腫肢の作成には長時間を要し、現在、浮腫発生の経過を観察中である。自家新鮮リンパ球、自家培養リンパ球などの各種リンパ球注入効果の比較及びアイソトープを用いたリンパ輸送障害の測定は、イヌ慢性リンパ浮腫生成を確認した後に行なう予定である。現在作成中のイヌ浮腫部より採取した浮腫液を用い、以下の結果を得た。 1)イヌ浮腫液中のプロテアーゼ活性測定のスタンダード、プロトコールを作製中であり、イヌ慢性浮腫が出来上り次第、リンパ球注入による組織間質内蛋白分解能の検討を行なう予定である。 2)我々が独自に開発したタンパク質分離法を用いて、組織間質タンパク質の分離範囲内に血清アルブミンが重ならない条件で、ヒト浮腫液タンパク質の分離解析を行えるようになった。その結果、ヒト血清中にはっきりと認められるアルブミン以外のタンパク質群が、浮腫液中ではほとんど存在しないことを見いだした。現在この一群のタンパク質がリンパ球動注によりどのような挙動を示すのか、また現在作成中のイヌ浮腫液との比較を検討中である。なお、浮腫液中に含まれるタンパク質の詳細な質的分析は、従来殆ど行なわれていない。その理由は、血清及び組織間質液中に多量の血清アルブミンが存在し、これによってアルブミン以外のタンパク質、特に微量のタンパク質がマスクされてしまい、検出が困難であったからである。 3)イヌ浮腫液中のβ_2マイクログロブリン量をELISA法を用いて測定中である。しかし抗ヒトβ_2マイクログロブリンとの反応性が低く、現在感度を上げる方法を検討中である。
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