研究概要 |
(1)肝阻血によるクッパー細胞活性化の検討 WKAラット肝の部分阻血実験において血流再開60分後に阻血された肝葉からクッパー細胞を単離して,latex beads貪食能,TNF,IL-6,IL-8,プロスタグランディンの産生について検討をおこなっている。現段階では,肝の部分阻血によりクッパー細胞が活性化されることが示唆されている. (2)肝阻血による肝の形態学的変化及び,肝機能に及ぼす影響の検討 血流再開後に非阻血葉(central,caudal lobe)を摘出し,術後経時的に生存率,胆汁産生,肝機能(GOT,GPT,LDH,ALP,T.Bil.NH3)を測定している.肝逸脱酵素の上昇と胆汁産生量の低下の生存率と関係していることが,示唆されている. (3)現段階では肝阻血によるクッパー細胞活性化についての基礎実験に行っているが,個々の動物から単離されたクッパー細胞のyieldが一定せず,動物の個体差に対する再検討を行なう必要性があると考えられた.また生存率についても,長期生存例と1週間前後に死亡する動物があり,その原因について,肝不全のみならず,呼吸不全や腎不全などの多臓器不全への移行についての,実験及び考察が必要性と考えられた.
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