研究課題/領域番号 |
07671315
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
馬場 欽也 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (30271117)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 医員
渋田 健二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (70253531)
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (70190999)
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キーワード | messenger RNA / cDNA サブトラクション / differential display / matrix metalloproteinase / integrin / 浸潤 / 転移 / 食道癌 |
研究概要 |
【1】c-DNA subtraction法を用いて胃癌については2種類のc-DNAのクローニングに成功した。1つは浸潤に関与するmatrix metalloproteinase 7(MMP-7)であり、他の1つは血管新たに関与するIntegrin α 6であった。 1)MMP-7の36例の食道癌組織における発現をRT-PCR法で検討したところ、72%で腫瘍組織(T)>正常対照粘膜組織(N)であり、T/N比の高いものは有意にリンパ管侵襲、脈管侵襲、リンパ節転移が高い傾向を示した。 2)Integrin α 6のプローブを用いて45例の食道癌組織においてNorthern brotを行ったところ、87%においてT>Nであり、有意差はないまでも浸潤傾向の強い例や、リンパ節転移の高度な例にT/N比の高値例が多く認められる傾向があった。 以上よりMMP-7、Integrin α 6はともに食道癌の発育・進展に密接に関与しているものと思われた。またこれらの遺伝子学的解析は客観的であるため、食道癌の生物学的悪性度の判定に今後用いられると期待している。 【2】differential display法を用いて、食道癌の臨床症例6例について、正常組織のみに発現する遺伝子を同定した。 この遺伝子の発現を約50例の食道癌症例の正常粘膜組織、及び腫瘍組織について、RT-PCR法で検索をおこなったところ、80%の症例において腫瘍組織よりも正常組織に著しく強く発現していた。 現在、この遺伝子のwhole length cDNAの同定と蛋白の発現の検索を進めているところである。
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