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1995 年度 実績報告書

αーリン酸三カルシウム細粒を用いた徐放性抗癌剤の臨床応用に関する研究;特に徐放性Carboplatin(CBDCA)の腹膜転移の予防、治療の基礎的検討

研究課題

研究課題/領域番号 07671318
研究種目

一般研究(C)

研究機関名古屋市立大学

研究代表者

真辺 忠夫  名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80127141)

研究分担者 水野 勇  名古屋市立大学, 医学部, 講師 (20157506)
四ツ柳 智久  名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (40080189)
キーワードα-TCP細粒 / Carboplatin / 腹腔内投与 / drug carrier
研究概要

drug caarrierとして検討しているαーリン酸三カルシウム(α-TCP)細粒は東京医科歯科大学医用器材研究所無機材料部門より製作・提供を受け検討している。
(1)α-TCP細粒について電子顕微鏡にて観察する一方、レーザー回折法にて粒度分布を測定した結果では、このα-TCP細粒の粒度分布は50〜100μm程度の間にあり、50%粒子径は約90μmであり、電顕的にはα-TCP細粒の粒子はほぼ球形で複数の球状粒子が部分的に接合している形態を示す粒子も存在した。またこの粒子のポア径は約1〜3μmのマイクロポアであり、殆どのポアはオープンポアであり薬剤等の含浸には適した構造をもっていた。(2)実験的にはα-TCP細粒:200mgをドンリュウラットに復腔内投与(i.p.)し、3日,1か月,3か月,6か月後の腹腔内及び大網の変化を肉眼的,組織学的に観察検討した。その結果全経過を通じ腹腔内の癒着等の所見は認められなかった。肉眼的には1週目よりα-TCP細粒は大網,腸間膜に埋没し始め、1か月後よりα-TCP細粒の色調が薄くなり、6か月後には肉眼的には消失した。組織学的には3日目にはα-TCP細粒は大網内に島状に取り込まれ、一部はリンパ管内に入った状態で大網内に停滞した。炎症細胞浸潤は軽度認められたが1週間を過ぎると消退し始めた。(3)α-TCP細粒:200mgにCarboplatin(CBDCA):4mgを無菌的に凍結乾燥法にて製作・調整した。このα-TCP-CBDCA;20mg/KgをAH130肝癌細胞移植による担癌ラットの腹腔内に投与し、腹水,血清,大網内濃度を経時的に測定し、free-CBDCAの腹腔内,静脈内投与群と比較検討した。その結果、腹水中CBDCA濃度はα-TCP-CBDCA投与群はfree-CBDCA投与群に比べ、30分以降では有意に高濃度が持続した。一方静注群は常に低値であった。CBDCAのAUCではα-TCP-CBDCA群:free-CBDCA;i.p.群:free-CBDCA;i.v.群は8:3:1の比であった。以上α-TCP-CBDCAのi.p.は投与による腹腔内の障害等もなく、またCBDCAを長く腹腔内に留めることができ、α-TCP細粒はdrug carrierとして有用であり、α-TCP-CBDCA腹腔内投与の臨床応用によっても治療効果も期待でき、さらに基礎的にラットAH130癌性腹膜炎モデルを用いて検討を進めている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 植田拓也,水野 勇,他: "臨床応用を目指してαリン酸三カルシウム(α-TCP)をdrug carrierに用いた腹膜播種の治療と防止の基礎的検討:" 日本外科学会雑誌. 97. 441-441 (1996)

  • [文献書誌] Mizuno Isamu et.al.: "Intraperitoneal Administration of Carboplatin-loaded Hydroxyapatite(HAp)and α-Tricalcium Phosphate(α-TCP)Particles in Rats Bearing Abdominal Carcinomatosis." American Association for Cancer Research. (in press). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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