研究概要 |
1.レトロウイルス感染に感受性の高いキラー細胞の誘導法の確立 腫瘍組織より腫瘍浸潤リンパ球(TIL)を分離し,同時に未抹消血単核球と自己腫瘍細胞との混合培養で細胞障害性リンパ球を誘導する際に,固相化抗CD3抗体とIL-2を併用することで自己腫瘍細胞に特異的なキラーT細胞の誘導を確立できた.さらに,この系に固相化フイブロネクチンを併用することで,レトロウイルス感染に対する感染効率が亢進することを確認した. 高発現性IL-2遺伝子の合成とpackaging細胞への遺伝子移入 大腸菌プラスミドpBR322に挿入しているヒトIL-2cDNAを鋳型として,PCR法により2種類の長さのIL-2遺伝子,すなわち,全長のもの(650bp)とAT配列に富む3′-非翻訳部分を除いたもの(480bp)を合成した.さらに,合成した2種類のIL-2遺伝子(pLNCIL-2)をPackaging細胞(amphotropic PA317,ectropic ψ2)にlipofection法を用いて遺伝子移入し,レトロウイルス産生細胞を樹立した.また,PA317細胞,ψ2細胞を限界希釈法でクローニングし,これらの細胞で感染させたNIH3T3細胞でウイルス価の測定を行い,titerの高いことを確認した.
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