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1996 年度 実績報告書

ヒト乳癌骨転移における腫瘍細胞の増殖因子.受容体の発現からみた生物学的特性

研究課題

研究課題/領域番号 07671327
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

池田 正  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70124930)

研究分担者 石井 誠一郎  川崎市立川崎病院, 外科, 医長
和田 徳明  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10245524)
キーワード乳癌 / 骨転移 / 動物モデル / 増殖因子 / p53 / TGF-β
研究概要

臨床的検討は剖検検体27例から原発,転移骨の増殖因子/受容体の発現を免疫組織学的に検討したが,特異的なものは,同定されてない.現在,パラフィンブロックからDNAを抽出しており,遺伝子レベルでの検討を予定している.In vivoにおける研究のためにヌードラットを用いたヒト乳癌骨転移モデルの樹立をおこなった.ヌードラットはマウスに比較して繰り返して採血,採尿,画像評価ができ,実験操作が簡便であり,選択的に骨転移を形成させるモデルの作成に適していた.培養ヒト乳癌細胞の多くは転移能が低く、細胞株の選択が課題でありヌードマウスで実験的に骨転移を起こすことが報告されているMDA-MB-231乳癌細胞を用いた.8週齢ラットの左頚動脈から大動脈内に10^6個の細胞を接種.4週目より隔週にX線撮影を行い最長8週目まで骨転移の形成,進展を評価.この結果,100%(20/20)の骨転移を生じ,1例にのみ肺転移をみとめた.他の培養株であるMCF-7細胞,T47D細胞,BT474細胞について検討したが転移を生じなかった.そこで,MCF-7細胞に線維芽細胞増殖因子を導入し転移能を増強したMKL-4細胞を用いたところ20%(1/5)の骨転移が得られ,本モデルの骨転移は乳癌細胞が骨髄内に到達して後の特異的な増殖能が転移形成に関与していることが示唆された.骨基質に豊富なTGF-βの増殖抑制に関与するp53の変異に着目し,MDA-MB-231とMKL-4の転移骨組織を用いてTGF-β,p53の発現を免疫組織学的に検討.MDA-MB-231にP53の発現をみとめたがMKL-4にはみとめず,TGF-βはいずれも発現していなかった.しかし,抗体の種類,組織の固定脱灰操作等染色性に影響を及ぼす因子について検討中である.今後の研究展開は,脱灰操作を加えない骨組織(樹脂包埋)により活性型,不活性型TGF-βに対する抗体を用いた免疫組織染色及びin situ hybridizationによるTGF-βmRNAの局在とPCR-SSCPによるp53の変異を検出する.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 石井誠一郎他: "乳癌骨転移における癌細胞の増殖特性に関する検討" 日本外科学会総会誌. 97. 387 (1996)

  • [文献書誌] 石井誠一郎他: "Feasibility of a nude rat model of bone metastasis for human breast cancer" Proc.American Association Cancer Res.38(4月発表予定). (1997)

  • [文献書誌] 石井誠一郎他: "ヒト乳癌骨転移の進展とIL-1β,IL-6,TNFαの発現について" 日本乳癌学会総会. (7月発表予定). (1997)

  • [文献書誌] H Tamura,T Ikeda,et al: "Therapeutic efficacy of pamidronate in combination with chemotherapy to bone metastasis of breast cancer in a rat model" Surgical Oncology. 5. 141-147 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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