研究課題/領域番号 |
07671331
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
志賀 俊行 昭和大学, 医学部, 助手 (70235513)
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研究分担者 |
相原 道明 (株)生体科学研究所, 主任研究員
草野 満夫 昭和大学, 医学部, 教授 (70091569)
神谷 憲太郎 昭和大学, 医学部, 助教授 (60053873)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 乳癌 / c-erbB-2 / radio-immunodetection / 画像診断 |
研究概要 |
外来における術後乳癌患者の経過観察加療の臨床経験をもとに、早期における乳癌術後再発予知を可能とするモノクローナル抗体シンチグラフィー(radio-immunodetection、RID)を行なった。標的には高分化腺癌に特徴的に発現しているレセプター型蛋白、プロトオンコジーンc-erbB-2産物を使用した。 c-erbB-2発現が確認されているヒト乳癌由来の細胞株YMB-1(JCRBより供与、フローサイトメトリーにて発現を確認)を培養し、ヌードマウスに移植、担癌マウスを作製した。クロラミンT法による^<125>I標識c-erbB-2抗体を担癌マウスに静注後、全身オートラジオグラフィーによりYMB-1腫瘍へのRI集積度を経時的に観察した。抗体投与後3時間では、肝臓、腎臓への集積が著明であったが、時間の経過とともに減少し、18時間後において背部に移植した腫瘍への良好な集積が観察された。また、同時に施行した腫瘍組織の抗c-erbB-2モノクローナル抗体を用いた免疫組織染色により、細胞膜を中心にc-erbB-2染色陽性を確認した。これらの事より、^<125>I標識抗c-erbB-2モノクローナル抗体による免疫シンチグラフィーの有用性が良好な腫瘍描出により確認され、新しい乳癌画像診断としての臨床応用が期待された。 この研究の学術的特色は、これまでに癌のImmuno Imagingへの試みとして最も安定した腫瘍マーカーともいえるCEAを始め、いくつかの腫瘍抗原が用いられ報告されてはいるが、特に乳癌に特異的で高い発現率をみるc-erbB-2蛋白を用いたRI標識モノクローナル抗体による画像診断の検索は未だ行なわれていない点である。とりわけc-erbB-2蛋白を腫瘍抗原として用いる点で、今までの骨シンチグラフィーとは異なる腫瘍抗原の分布を確認し、骨粗鬆症との鑑別を可能とする事である。担癌マウスにRI標識抗体静注後、麻酔死させ解剖、各臓器単位体積あたりのRI集積度を裏付けとすべく測定し、さらに放射性核種標識(^<125>I)によりモノクローナル抗体の免疫活性(IR)が低下しない事を、hydroxylapatite高速液体クロマトグラフィーによる分離・精製したIRの異なる抗体を用いた実験を考案、これを証明して直ちに投稿を予定している。
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