我々はアデノウイルスベクターを用いて、細胞接着分子であるB7やサイトカインであるGM-CSFをマウスの腫瘍細胞に導入に、ワクチンとしての有効性を検討することを目的としている。今年度は、マウスB7およびCM-CSF遺伝子発現ユニットを挿入したコスミドカセットDNAと親ウイルスDNA-TPCを293細胞にco-transfectし、遺伝子組み換えアデノウイルスを作成した。その結果目的とするクローンがとれ、さらに293細胞に感染させることにより、高力価ウイルス液を作製できた。また、このクローンの制限酵素の切断パターンが発現カセットコスミドと一致することから、目的とする組み換えウイルスであることが確認された。今後は、この遺伝子組み換えウイルスを用いて、in vivoにおける腫瘍原性、腫瘍免疫および治療効果について、マウスの系で検討する予定である。
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