研究概要 |
1.光感受性物質(RS)Chlorin eb(Cle6)とLigandのmaleylated-BSA(mal-BSA)を結合し,3種類の培養細胞(macrophage,smooth muscle cell,endothelial cell)とincubateして取込みを検討した.mal-BSA-Cle6は各細胞の細胞質内に取り込まれ,班点状蛍光を示した.蛍光強皮はmacrophageが他と比較し約3倍と有音に強く認められた.2.Ratの腹部大動脈をBalloon catheterで傷害し,2週後の新生内脱(IH)形成期に3type[Free Cle6,BSA-Cle6,mal-BSA-Cle6]のCle6を投与した.mal-BSA-Cle6はmal-BSA-Texas Red(既報告)と比較するとIHへの特異集積性が低下したが,free-Cle6にない,IH(特に内側)への集積を認め,ligand結合PSの有用性が示唆された.3.Free Cle6投与,mal-BSA-Cle6投与後,PDT施行20,40(J/cm^2)後48時間での組織学的検討を行った.mal-BSA-Cle6投与群ではCle6投与群より強い細胞成分の消失,傷害がIHを中心に強く認められ,scavenger recepterターゲット法の有用性が示唆された.4.新しいPS,Chloroaluminium sulfonated phthalcyanine(Pc)が,IH治療で有用と報告されている.Chlorine e6の結果をふまえPcでの検討を行った.mal-BSA-Pcとfree-Pcをmacrophageとincubateした.free-Pcに比しmal-BSA-Pcはscavenger経路を介し強く細胞質内に取り込まれた.Cle6実験と同様にRatの動脈傷害モデルを作成し,2週後のIH形成期に3typeのPcを投与した.mal-BSA-Pc群ではfreePc及びBSA+Pc群に比し,IHへの集積性が向上した.mal-BSA+Pc及びfree-Pc投与群に対しPDT(50J/cm2)後4日目の組織学的検討を行った.mal-BSA-Pc群では細胞成分の消失,傷害をIH中心に強く認め,free-Pc群に比しIH/中膜厚比が有意に低値を示した.血管領域でも注目されるPcとLigand結合の結果,PcはPSとして機能し,Free-Pc群よりIHに強く傷害を与え,scavenger recepter targeting photodynamic destrucionの有用性が示唆された.今後さらに検討することが有用と考えられる.
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