研究概要 |
モルモット(ドナー)-ラット(レシピエント)間のdiscordant異種心移植後の(超)急性拒絶反応抑制に関するアプローチとして,術前のレシピエントに抗ドナー赤血球/白血球異種抗体(ウサギIgG)を投与した。あらかじめ,_<ウサギ>抗モルモット赤血球/白血球抗体を投与したレシピエントでは,術後の超急性拒絶反応が抑制され,投与量に相関してモルモット移植心の生着延長が認められた(R=0.95)。コントロール群(n=6)のモルモット移植心の平均生着【+-】SD(分)時間が12.2【+-】4.4(分)に対して,10mg/kg投与群(n=6)では,140.2【+-】55.4(分),20mg/kg投与群(n=6)では240.2【+-】72.4(分),そして30mg/kg投与群(n=3)では347.3【+-】124.0(分)と生着延長し,いずれもコントロール群と比べ,有意な差がみられた(P<0.01)。これらの生着延長効果は,投与した異種抗体による″マスキング″作用であり,既存抗体(含,自然抗体)に対する結合阻害作用が推察された。
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