研究概要 |
小動物としては,rat,さらに大動物としては,ブタ,イヌよりの膵ラ島分離培養を繰り返し施行した。膵ラ島分離としては,日本においては2,3の施設でのみしか施行しておらず,fragileで最も難しいとされている成熟ブタ膵ラ島分離について,新しい成熟ブタ膵ラ島分離用酵素液を開発し,全てヒト膵に対するシュミレーション下に,大阪南港の屠殺場より採取した生後1年6ヶ月,体重約200Kg以上の繁殖用ブタの膵臓より成熟ブタ膵ラ島分離を行い(n=10)、その結果291,667±240、452IEQ(mean±SE)の膵ラ島が分離出来,Static incubation testでは,グルコース3.3mM刺激下インスリン分泌量は,100.1±10.7μU/ml/hrであり,グルコース16.7mM刺激下では,147±48.6μU/ml/hと約1.5倍に有意に増加し,新しい成熟ブタ膵ラ島大量分離法の開発に成功した。 さらにコンピューター化したcontrolled automated cryounit (GE9000)によりこれらの凍結保存を行い,成熟ブタ膵ラ島凍結保存法の開発にも成功した。これらにより我が国におけるヒト膵ラ島分離をも視野に入れた大動物膵ラ島分離,Islet bankの確立が可能となった。さらに現在viabilityを保持しつつ,より簡便な膵ラ島凍結保存法を確立するため,さらに新しい膵ラ島専用凍結保護液の開発にも取り組んでいる。 胸腺内,睾丸内膵ラ島移植が,Immunological priviledge site という事を説明するため,成熟ブタ膵ラ島+Fetal Porcine Proislets (FPPを膵全摘後minituare pig の胸腺内へ移植し,ALG単独1週間投与のみで,その他の免疫抑制剤は一切使用セズ,94.1±44.2日のfasting C-Peptideの産生を確認した。 Cytomegalovirus Promotor下に,Adenoviral vectorの作製については,現在検討,試作中である。
|