研究課題/領域番号 |
07671363
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
宮崎 勝 千葉大学, 医学部, 講師 (70166156)
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研究分担者 |
中川 宏治 千葉大学, 医学部, 助手 (10282477)
清水 善明 千葉大学, 医学部, 医員
安蒜 聡 千葉大学, 医学部, 助手 (30251200)
伊藤 博 千葉大学, 医学部, 助手 (00232463)
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キーワード | 肝切除 / 肝不全 / 好中球 / 炎症性サイトカイン / 閉塞性黄疸 |
研究概要 |
ラット閉黄肝切除モデルにて肝細胞障害・類洞内皮細胞障害を正常肝切除モデルと比較検討し、好中球の関与、白血球遊走因子であるIL-8、接着に関与するICAM-1について併せて検討した。 【方法】ラットを用い胆管にカニュレーション後遊離端を結紮、閉黄とした。14日後同部を開放、外瘻にて5日減黄後約80%肝切除を施行した(閉黄群)。対照として単開腹後、閉黄群と同期間放置し約80%肝切除を施行した群を設けた(非閉黄群)。肝細胞障害・類洞内皮細胞障害の指標として、それぞれAlanine Aminotransferase(ALT),Purine Nucleoside Phosphorylase(PNP)の血清値を測定した。また、ラットIL-8 familyのひとつであるCytokine-induced Neutrophil Chemoattractant(CINC)を測定した。肝組織を採取し、クロロエステラーゼ染色にて好中球数をカウントするとともに、ICAM-1発現状況を免疫組織染色にて検討した。 【結果】PNPは閉黄では動かず、減黄によりむしろ上昇する傾向がみられた。肝切除後は両群とも24時間をピークに上昇するもののPNP/ALTで比較すると48時間目で閉黄群1.12±0.21、非閉黄群0.37±0.077と有意に閉黄群で高値を示した。CINCは閉黄で上昇、減黄で低下するが、減黄5日間ではいまだ有意に高く、肝切除後は早期より閉黄群で有意に高い上昇を示した。好中球数も肝切除後早期より増加するが、閉黄群で有意に多く浸潤していた。ICAM-1は閉黄、減黄では変化なく、肝切除後は24-48時間をピークとして両群ともその発現増強が類洞内皮細胞を中心に認められた。 【結論】閉黄肝切除後はIL-8により好中球の走化性が増しておりICAM-1の発現増強と相まって肝組織中に接着し、類洞内皮細胞障害の遷延化に強く関与している可能性が示唆された。
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