研究課題/領域番号 |
07671365
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 祐三 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40143515)
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研究分担者 |
柳衛 宏宣 東京大学, 医科学研究所, 医員 (30212278)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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キーワード | 自然肝転移 / LMFS / ND2001 / 浸潤 |
研究概要 |
LMFS細胞はBALB/cマウスに自然発生した後腹膜腫瘍より樹立した細胞株で、同系マウス皮下に継代移植すると肺転移することなく、選択的に肝転移をおこす性質を持っている。 1.このLMFS株をfootpadに接種することにより選択的に肝転移するモデルを確立した。LMFS細胞(1x10^6/mouse)をBALB/cマウスfootpadに接種し、5日毎に麻酔下に原発腫瘍を患側膝関節にて外科的に切除し、25日目に犠牲死させ各臓器への転移、肝重量を測定した。5日目に切除した群(Op(5))では肉眼的肝転移は認められなかったが、組織学的には60%(3/5)のマウスに転移が存在した。10日目以降に切除した群(Op(10),Op(15),Op(20))では肝転移が肉眼的にも観察されるものもあり、15日目以降の群では全例に組織学的に肝転移が認められた。切除手術が遅くなるほど肝転移結節数は増加し、肝重量の増加とよく一致した。局所再発は1例もなく、肝臓以外の臓器には肉眼的にも組織学的にも転移は認められなかった。 2.無処置BALB/cマウスの正常肺、肝組織よりの抽出物をLMFS細胞培養液に添加して増殖能を検討したところ、肝細胞抽出物添加により抑制傾向が認められた。 3.転移抑制効果が報告されているNojirimycin誘導体Sodium D-Glucaro-δ-lactam(sodium 5-amino-5-deoxy-D-glucosaccharicacid-δ-lactam;ND2001)のLMFS細胞に対する作用をin vitroで検討したところ、(1)ND2001のLMFSに対する増殖抑制作用は認められなかった。(2)Boydem chamber法によるND2001処理LMFS細胞の浸潤能はコントロールと比べ著明に抑制された。(3)ND2001前処理LMFS細胞をBALB/cマウス背部皮下に接種したところ、肝転移は著明に抑制された。
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