研究課題/領域番号 |
07671365
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 祐三 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40143515)
|
研究分担者 |
柳衛 宏宣 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30212278)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
|
キーワード | 自然肝転移 / LMFS / HCFU / 化学療法 / p-53 / point mutation |
研究概要 |
LMFS細胞はBALB/cマウスに自然発生した後腹膜腫瘍より樹立した細胞株で、同系マウス皮下に継代移植すると肺転移することなく、選択的に肝転移をおこす性質を持っている。(1)昨年度確立したLMFS細胞footpad接種肝転移モデルを用いて、原発腫瘍を患側膝関節にて外科的切除および5-FU系抗癌剤HCFUの併用療法をおこなったところ、組織学的にTumor freeの割合は、無処置群(0%)、早期よりの化学療法単独群(20%)、手術療法単独群(20%)、手術後化学療法群(80%)、手術前化学療法群(60%)、中期よりの化学療法単独群(0%)であった。肝転移に対して、手術および早期よりの化学療法併用群が最も効果的な治療法と思われた。(2)LMFS細胞の転移・増殖特性を検索する一環として、癌遺伝子の一つであるp53遺伝子の発現と遺伝子異常についての検討を行っている。株化したLMFS-1培養細胞をBALB/cマウスに皮下接種3週間後、肝臓に転移した腫瘍および原発皮下腫瘍を摘出した。得られた培養細胞および腫瘍組織をp53特異抗体を用いた免疫組織化学的な方法でp53蛋白質の存在を認めた。また、このLMFS-1細胞株および腫瘍組織の遺伝子異常の有無をPCR-SSCP法を用いて検討し、ダイレクトシーケンス法を用いて塩基配列を解析した。その結果、細胞株および腫瘍組織のいずれにおいてもExon5(Codon176)およびExon7(Codon248)の領域に共通の点突然変異が確認された。また、野性型p53遺伝子を組み込んだウィルスベクターを培養細胞株に導入しp53遺伝子の過剰発現による細胞増殖などの影響を検討した結果、培養細胞の倍加時間が8時間から42時間に増加し、細胞増殖能に抑制効果が認められた。
|