研究課題/領域番号 |
07671365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤井 祐三 東京大学, 医科学研究所, 講師 (40143515)
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研究分担者 |
柳衛 宏宣 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30212278)
森 茂郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (30010424)
成内 秀雄 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10012741)
松沢 昭雄 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50012745)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 自然肝転移 / LMFS / HCFU / 転移抑制 / ND2001 / p-53 / point mutation / 化学療法 |
研究概要 |
癌転移の研究は国内外で長年行われてきている。癌は特定の臓器に転移をおこすことが多いにもかかわらず選択的自然肺転移モデルは数種報告されているが、リンパ腫以外での肝転移モデルはないに等しい。今回、BALB/cマウスに自然発生した後腹膜腫瘍LMFS株より、footpadに接種することにより選択的に肝転移するモデルを確立した。LMFS細胞はBALB/cマウスに自然発生した後腹膜腫瘍より樹立した細胞株で、同系マウス皮下に継代移植すると肺転移することなく、選択的に肝転移をおこす性質を持っている。このLMFS細胞を用いて転移抑制および転移治療の可能性を検討した。 (1) LMFS細胞footpadモデルに対する外科的切除、HCFU併用療法をおこなったところ、肝転移に対する最も効果的な治療法は手術および早期よりの化学療法併用群であることを見いだした。 (2) Nojirimycin誘導体Sodium D-Glucaro-δ-lactam(sodium 5-amino-5-deoxy-D- glucosaccharic acid-δ-lactam;ND2001)のLMFS細胞に対する作用を検討したところ、Boydem chamber法によるND2001処理LMFS細胞の浸潤能はコントロールと比べ著明に抑制された。また、ND2001前処理LMFS細胞をBALB/cマウス背部皮下に接種したところ、肝転移は著明に抑制された。 (3) LMFS-1細胞株およびLMFS腫瘍組織のp53遺伝子異常の有無をPCR-SSCP法を用いて確認し、ダイレクトシーケンス法を用いて塩基配列を解析した。その結果、細胞株および腫瘍組織のいずれにおいてもExon5およびExon7の領域に共通の点突然変異が確認された。また、野性型p53遺伝子を組み込んだウィルスベクターを培養細胞株に導入しp53遺伝子の過剰発現による細胞増殖などの影響を検討した結果、培養細胞の倍加時間が8時間から42時間に増加し、細胞増殖能に抑制効果が認められた。
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