研究課題/領域番号 |
07671368
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
富永 治 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10261976)
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研究分担者 |
長田 卓也 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90272559)
石丸 悟正 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (70272557)
瀬戸 泰之 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00260498)
名川 弘一 東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80228064)
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キーワード | Apoptosis / 放射線療法 / 化学療法 / 癌 / Bcl-2 / p53 |
研究概要 |
食道癌と大腸癌細胞株において、Apoptosis関連遺伝子p53、Bcl-2、Bax、Bcl-X_L、Bcl-Xs、Bak、Badの発現をWestern Blottingを用いて解析した。p53の発現は、食道癌細胞株、大腸癌細胞株のそれぞれ約50%と約80%に認められた。一方、Bcl-2の発現は、食道癌細胞株、大腸癌細胞株のそれぞれ約30%と約20%に認められた。分子量の異なる2種類のBcl-2蛋白を発現している食道癌細胞株が認められた。p53、Bcl-2、Baxの発現の間に明らかな相関は認められなかった。p53遺伝子解析から、Mutant p53蛋白を発現している細胞株とWild-type p53蛋白を発現している細胞株があることが示唆された。Bax、Bcl-X_L、Bcl-Xs、Bak、Badの発現は、ほとんど全ての細胞株で認められたが、その発現量には細胞株の間で相違が認められた。 食道癌細胞株における化学療法剤MMC、CDDPに対する感受性を解析した。MMC、CDDPを加えて、p53蛋白の発現上昇が認められる細胞株では、Apoptosisが誘導され、抗癌剤に対する良好な感受性が観察された。一方、p53蛋白の発現上昇が認められない細胞株では、抗癌剤に対する抵抗性が認められた。したがって、MMC、CDDPに対する感受性は、細胞がApoptosis誘導刺激に対する反応性を保持しているか否かにかかっており、p53-dependentなApoptosisが関与していることが示唆された。さらに、直腸癌に対する放射線療法感受性とp53、Bcl-2、p21の発現の相関を検討し、p53(+)/p21(-)の腫瘍は放射線療法に対して抵抗性を示し、p53(-)/p21(+)の腫瘍は放射線療法に対して良好な感受性を示すことが明らかになった。化学療法、放射線療法に対する感受性を規定する因子として、p53が重要であると考えられる。
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