研究概要 |
【目的】;ラットを用いて結腸の一部を小腸とともに移植する実験群において,移植された結腸粘膜の変化,特に結腸では本来認められない絨毛形成とその機能の検討を目的として以下の方法で実験を進行中である。 【今年度の実施結果】;平成7年度は主に実験計画の詳細の再考すなわち,レシピエントの本来の小腸を何%切除すると,効果的にグラフトに上記目的の変化が生じやすいかパイロットスタディにて検討を行った。またモデル作成後の評価項目の選定のため,北海道大学,神戸大学と研究打ち合わせを行った。小動物用麻酔機の納入が昨秋となったため,動物実験(ラットにおける小腸結腸移植,顕微鏡下手術)はその後開始した。評価項目が呼吸能という機能検査主体のため,モデル作成時における温阻血時間の長さ,ドナーからのグラフトの保存状況により,かなり鋭敏に反応するため,手技上の差によるよる呼吸能の差を防止する目的で,実験手技の安定化に努めている。消化吸収能の測定のため移植腸管はレシピエントの腸管との吻合が必要で、手術手技はレシピエント手術で約3時間程度要した。その際当大学の動物舎における設備的問題よりラットが低体温によると考えられる死亡が認められ(特に金沢という地理的特性より冬季は実験室温が低下するため),室内をヒーターで加温,さらにラット手術台に加温用パットを用いて改善中である。この問題については実験が春以降になればかなり改善されると考えられる。このため1月以降はモデルの作成を中止し,正常ラットにおける大腸のブドウ糖吸収能の測定を行い,モデル群との比較コントロール値として供する。あわせて,小腸結腸移植後の吸収能の効率的な検査時間の決定のための採血時間を決定した。 【平成8年度予定】;当初の実験計画にそってモデル作成を継続し各種測定を行う予定である。
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