研究概要 |
Lews系雄性ラットを用いて腹部大動脈と門脈を血管茎とする同系同所性部分小腸結腸移植を実施した。結腸付加grafftの小腸の長さは全小腸群と下部1/2小腸群を作成し、それぞれ手術後1ヶ月、3ヶ月観察し、以下の項目について検討したった。検討項目;体重の推移、graft結腸の組織学的検討、結腸における糖吸収能。結果全小腸移植群の体重は術前を100として1ヶ月後120%、3ヶ月後130%、1/2小腸移植群では1ヶ月後105%、3ヶ月後110%であった。全小腸移植群では1ヶ月観察群、3ヶ月観察群ともgraft結腸にHE染色では繊毛形成は認められなかった。1/2小腸移植群では1ヶ月観察群では繊毛形成が認められなかったが、3ヶ月観察群1/3に繊毛形成が認められた。しかしグルコース吸収試験では結腸での糖吸収能は1ヶ月観察群、3ヶ月観察群ともに有意には認められなかった。また結腸粘膜ホモジネート液内アルカリフォスフォターゼ活性値(IU・mg/protein)は全小腸移植1ヶ月後、3ヶ月後それぞれ0.05,0.07、1/2小腸移植群で0.09,0.10であった。以上より、移植結腸の適応によると考えられる繊毛形成は小腸機能が充分でない時に生じるが、その機能はまだ未熟である。
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