ヒト大腸癌同所移植モデルを用いて、Plasminogen activator inhibitor type-1(PAI-1)、type-2(PAI-2)の腫瘍増殖抑制効果および転移抑制効果を検討した。 [方法]BALB/Cヌードマウスの盲腸壁に、当科で樹立したヒト大腸癌株TK4を移植し、同所移植肝転移モデルを作製し、これにrPAI-1、rPAI-2を腹腔内投与して、これらの腫瘍増殖および転移抑制効果を検討した。 [結果](1)移植腫瘍重量:control群およびPAI-1投与群に対して、PAI-2投与群で有意に低値を示した。(腫瘍重量 cont:0.73±0.23g、PAI-1:0.62±0.29g、PAI-2:0.45±0.13g)(2)肝転移数:肝転移個体数は、PAI-1およびPAI-2投与群で、有意に低値を示した。(転移率 cont:93.9%、paI-1:26.3%、PAI-2:6.2%)(3)副作用:a)体重増加は3群間に有意差を認めなかった・b)脾臓重量も3群間に有意差を認めなかった。
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