研究課題/領域番号 |
07671380
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
秋山 清次 名古屋大学, 医学部, 助手 (40202551)
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研究分担者 |
磯部 健一 名古屋大学, 医学部, 助教授 (20151441)
竹下 洋基 名古屋大学, 医学部, 医員
関口 宏之 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | アデノウイルス / 遺伝子治療 / 消化器癌 / 細胞性免疫 |
研究概要 |
アデノウイルスベクターを用いた消化器癌遺伝子治療を目指し、lacZ遺伝子をreporter geneとした組換えアデノウイルスにて感染実験を行った。食道癌、胃癌、大腸癌の培養細胞株を各々6種、10種、15種用いてin vitroにてアデノウイルスを感染させ、その効率は平均46%、82%、70%と非常に良好であった。また大腸癌細胞株SW1222にアデノウイルスを感染させ、遺伝子発現の持続性を検討したが、感染40日後でも80%以上の細胞にて発現がみられた。in vivoにおける感染をみるため、ヌードマウス皮下にSW1222を移植し、腫瘍に直接アデノウイルスを注射した。3日後に腫瘍を摘出し組織標本を作製した。lacZ遺伝子の発現は腫瘍細胞のみならず、その周囲の正常組織にも認めた。さらにBALB/cマウスとその大腸癌細胞株colon26を用いて、細胞性免疫誘導につき検討した。予めアデノウイルスをマウスの腹腔内に投与し、その数日後に、アデノウイルスを感染したcolon26をマウスの皮下に移植した。この腫瘍はコントロール群に比較して増殖が緩徐であり、細胞性免疫の関与が示唆された。アデノウイルスによる遺伝子治療の問題点として、遺伝子発現が一時的であること、正常組織にも感染すること、細胞性免疫が誘導されることなどがある。
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