研究概要 |
マウスFoot Pad法を用いた炎症モデルにおけるHoming receptor:L-selectinとそのLigand:GlyCAM-1可溶性因子の経時的変化の解析とその意義:リンパ球のホ-ミング現象におけるHoming receptorはL-selectinというレクチン様糖蛋白分子である。L-selectinに対する高内皮細胞(HEV:High endothelial venule)上のHoming ligandは、特異的な糖鎖を持つCD34とGlyCAM-1(Glycosylation-dependent Cell Adhesion Molecule-1)の2種のシアロムチンである。マウスを用いた炎症モデルで血中GlyCAM-1とL-selectinを経時的に測定、Homing機構を解析した。BALB/CマウスFoot PadにComplete Freund Adjuvant(CFA)を皮下注し、0h,3h,6h,12h,1d,3d,7dと計7回、心臓穿刺により採血した。Soluble GlyCAM-1はELISA法それぞれ測定した。また、キットを用いて炎症性サイトカインを経時的に測定した。Soluble GlyCAM-1はELISA法で測定可能で、CFA投与後12hにおいて最高値を示し、その後緩やかな減少傾向を示した。L-selectinもCFA投与後12hで最高値を示し、1-3dで元の値に復した炎症性サイトカインは、lL-6以外のすべて測定限界以下であり、lL-6はCFA投与後3hで上昇しそのレベルは24hまで維持され、3-7dは測定限界以下であった。HEV上のHoming ligandであるGlyCAM-1は血中に遊離され、活性化によりsheddingされたL-selectin fragmentをtrapすることによりリンパ球のホ-ミングを制御していることが示唆された。
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