研究課題/領域番号 |
07671403
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒木 祥司 九州大学, 医学部, 助手 (30215090)
|
研究分担者 |
亀岡 宣久 九州大学, 医学部, 医員
牧野 一郎 九州大学, 医学部, 医員
千々岩 一男 九州大学, 医学部, 講師 (90179945)
|
キーワード | 胆汁酸合成 / 7αヒドロキシコレステロール / コレスチラミン / 負荷試験 / 慢性肝疾患 / 肝予備能 |
研究概要 |
1)ハムスターに0、0.5、1、2、4、10%のコレスチラミンを4週間経口投与したところ、肝コレステロール7α水酸化酵素活性(7AHL)は濃度依存的に上昇し、2%では約3.5倍、10%では約6.2倍となった。これに対し、血清7αヒドロキシコレステロール(7AHC)濃度は各濃度間に有意な変化を認めなかった。血清および肝コレステロール濃度はコレスチラミン1%以上の群で著明に減少しており、また10%群では体重減少と死亡例が見られ、高濃度コレスチラミンの長期投与では胆汁酸・コレステロール代謝の重篤な障害が起こる事が示唆された。 2)上記の実験より、7AHL活性が十分に活性化され、しかも重篤な代謝障害を惹起しない濃度として2%を選択し、0、3、7、10、14、21、28日間のコレスチラミン投与を行った。現在分析中である。 3)肝機能正常群18例、慢性肝炎群21例、肝硬変群23例の血清7AHC濃度を測定したところ、血清7AHC濃度は慢性肝炎群と正常群との間に有意差を認めなかったが、肝硬変患者では有意に低下していた。さらに肝硬変群を代償性肝硬変、非代償性肝硬変群に分けたところ、非代償性肝硬変群では全例異常値を呈したが、代償性肝硬変群ではその約半数が異常値を呈していた。 4)コレスチラミン12g/dayを健常志願者に14日間投与したところ、血清7AHC濃度は3日目に上昇し、その後ほぼプラトーとなり、投与終了後7日目には投与前値に復した。肝硬変患者でも同様な結果であり、必用最小限の投与期間を3日間と決定した。 5)肝機能正常群、慢性肝炎群、代償性肝硬変群へのコレスチラミン3日間負荷試験は現在進行中であり、分析結果を統計学的に検討できる数には達していない。本研究は各群10例を目標にしている。
|