我々は、銅欠乏食投与後のラット膵に新に出現してきたpancreatic hepatocyteについて背景にある遺伝子レベルの変化、機能面について検討を加えている。まず、我々の教室の専門分野であるコレステロース代謝、胆汁生成の面からpancreatic hepatocyteの機能について肝細胞としての成熟度を見てきた。銅欠乏食投与後ラット膵からRNAを抽出しそのPCRの増副産物に対して以下の実験を行った。cholesterol 7 α-hydroxylaseは、mRNAレベルにおいて膵内で発現しているだけでなく酵素の日内変動も認められることがわかった。さらにin situ hybridizationによってpancreatic hepatocyteに一致してcholesterol 7 α-hydroxylaseのmRNAの局在を認めた。従ってpancreatic hepatocyteにはコレステロールを代謝する酵素の発現が存在すると考えられた。現在はin vivoにおいて膵液中の胆汁酸を検出すべく実験を行っている。
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