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1996 年度 実績報告書

血管新生抑制剤のラット実験肝癌モデルに対する効果 -免疫組織学的検討による効果判定-

研究課題

研究課題/領域番号 07671429
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

石井 雄二  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40212831)

研究分担者 小川 龍之介  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手
キーワード血管新生 / 血管内皮細胞増殖阻害剤 / FR-l18487 / chemoprevention / laminin / 免疫組織学的検討 / Interleukin-12 / 肝癌
研究概要

腫瘍血管新生をターゲットとした肝癌治療にむけ、血管内皮細胞増殖阻害剤であるFR-l18487(FR)の効果を免疫組織を中心に検討。再生と壊死を繰り返す過程で発癌するヒトに近い反応を示すラットDEN肝癌モデルを使用。臨床応用を踏まえ、投与方法は全身、局所、動脈内、門脈内投与を施行。局注にはPEIT併用、動注にはEpi.ADR併用も検討。多中心性発癌を考慮しFRのchemopreventionも検討。その結果全身投与群においてchemopreventionを認めた。これはDENモデル作成時予めFRを投与すると肝癌を確実に認める12週でも結節性病変を認めず組織学的に異形成のみで、血清AFPも有意にFR非投与群に比較し低値を示した。この間DEN溶液の飲水値はほぼ同値であった。肝癌確認後の効果についても癌部占拠率は低かった。局注、動注でも、病変の増殖抑制、また一部には縮小効果を認めた(門脈内投与では現段階で有意差を認めない)。また生化学検査(AST、ALT、AFP)もその効果を反映していた。免疫組織学的検討では発癌過程でlaminin発現の重要性が示唆され、腫瘍増大抑制、縮小を認めた部位のlaminin、PCNA発現が抑制され、発癌過程での類洞内皮細胞のlaminin産生を考慮すると、腫瘍辺縁血管とともに類洞内皮細胞にも作用する可能性が示唆された。また検討中だがVEGF-fhもこれら現象を反映する。GST-Pもその発癌過程で発現が抑制されていた。FR非投与群と比較すると副作用として全身投与例で体重減少が問題となったが,局注、動注では有意差はなかった。興味深い所見として局注でFR+PEIT併用にて腫瘍辺縁でviable cellの残存,リンパ球浸潤,線維化の減少を認めた。以上より本薬剤は単独およびPEIT、化学療法との併用により肝癌の新しい治療薬として十分期待できる。また現在これに関連してIL-12,IFN-γ.IP-10.IGIFの血管新生関連因子の検討を臨床例を含め検討中である。

  • 研究成果

    (1件)

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すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yuji Ishii: "XV World Congress of CICD" MONDU22I EDITORE, 371-376 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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