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1996 年度 実績報告書

肝癌増殖機構、宿主免疫能低下機構におけるサイトカイン、接着因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 07671431
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東邦大学

研究代表者

中崎 晴弘  東邦大学, 医学部・第一外科, 講師 (00207747)

研究分担者 垣内 史堂  東邦大学, 医学部・免疫学, 教授 (40126024)
吉雄 敏文  東邦大学, 医学部・第一外科, 教授 (80057497)
岡田 弥生  東邦大学, 医学部・免疫学, 助手 (60256758)
キーワード肝癌 / サイトカイン / 接着因子
研究概要

(1)平成7年度の研究の続行として、手術時に得られた癌部、非癌部組織、および患者血清中のICAM-1を測定した。その結果、平成7年度と同様に、患者群では対照群に比較して血清ICAM-1値が高値である傾向が得られた。また、癌部、非癌部でもその抽出液中に高値のICAM-1が検出された。癌の進行度との関係は症例数を増やして検討中である。また新たに樹立した細胞株(MS1)については、各種サイトカインのICAM-1産生調節を検討した。その結果、上清中のICAM-1はTNF-α,IL-1,GM-CSF,IFN-γで濃度依存性に産生増加を認めたが、IL-6では認めなかった。また、細胞表面のICAM-1(CD54)発現率はTNF-α,IL-1,GM-CSF,IFN-γ刺激時に若干の増加を認めた。さらにB7-1発現率を検討したところ、TNF-α,GM-CSFで濃度依存性の増強が認められたものの、その他のサイトカインでは変化が見られなかった。また、同様の検討をB7-2で行ったところ、各サイトカインいずれの濃度でも発現率の抑制が見られた。各種サイトカイン添加培養でB7-1の誘導が見られたことは非常に興味ある知見と思われ、今後サイトカイン療法を考えるうえで、さらに検討すべきであると考えている。
(2)各種サイトカイン、接着因子に対するreceptor assayに関しては現在進行中である。細胞株は今回新たに樹立した肝癌様の株MS1とし、これを従来の方法で解析中である。
(3)我々は癌周辺部にIL-1,2,6,癌部にTNF-α,GM-CSF等のサイトカイン産生異常を確認しており、これが周辺部のリンパ球機能に影響を及ぼしている可能性を考えている。そこで、肝癌患者末梢リンパ球(PBL)、TILの細胞性免疫能低下の原因を探るため、これらのサイトカイン、接着因子反応性、産生能をPBL,TILで検討した。方法は患者PBL,TILをFicoll-Hypaque比重遠心法で採取し、これを1X10^6/mlに調整した。これを96 wells microplateに100μlずつ分注、各因子を添加して72時間培養した。培養終了24時間前に^3H-TdRを添加してその取り込みをマトリックス96-β-カウンターにて測定した。その結果、リンパ球反応性は対照群に比べ患者PMNC,TILで低下していたが、TPA反応は増強していた。また、各種サイトカイン単独刺激ではTILで細胞増殖作用がみられた。一方、PHA刺激時ではPMNCに高濃度の、TILで低濃度のサイトカインに寄る抑制が見られ、TPA刺激時ではPMNCとTILで低濃度のサイトカイン感受性に違いが見られた。今後、サイトカイン産生能、TILの表面マーカーなどについて検討予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中崎晴弘: "肝細胞癌のオートクリーン増殖におけるサイトカインの意義,特にTNF-αについて" 東邦医会誌. 42・2. 140-146 (1995)

  • [文献書誌] 下島裕寛: "原発性肝癌患者術前末梢血,および摘出癌部浸潤リンパ球に対する各種サイトカイン,レクチン反応性に関する検討" 東邦医会誌. 42・5. 520-529 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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