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1996 年度 実績報告書

発癌物質の代謝に関与する遺伝子や癌関連遺伝子の多型性分析による癌発生、転移の予知(特にチトクロームp450やグルタチオン還元酵素およびL-mye、p53遺伝子の多型性と消化器癌発生、転移の関係について)

研究課題

研究課題/領域番号 07671432
研究機関日本医科大学

研究代表者

加藤 俊二  日本医科大学, 医学部, 助手 (60224507)

キーワード遺伝子多型 / チトクロームp450E1 / L-myc遺伝子 / 危険度評価 / DNA付加体
研究概要

今年度の研究実施計画より、以下の項目を今年度の研究成果として報告します。
1.現在まで胃癌500症例、食道癌70症例に加え、肝癌、肝硬変症例80例、乳癌症例70例のDNAを抽出した。また年齢、性別を揃えたケースコントロールを作成するために、700例におよぶコントロールを集めデータベースとした。
2.このケースコントロールスタディを用いてチトクロームp4502E1遺伝子(CYP2E1)のうちRsa1制限酵素による遺伝子多型性(RFLP)をPCR-制限酵素処理法により判定した。
3.同様に増殖に関与する癌遺伝子であるL-myc遺伝子の多型性分析を行った。
4.さらにベンツピレンなどの芳香族アミンの代謝活性化に関与するCYP1A1、グルタチオン還元酵素の一種であるGSTM1遺伝子の多型性分析を行った。
5.これらの結果をX^2検定、Odds Ratio(相対危険度)などの検定で統計学的に検討したところ、CYP2E1 Rsa1遺伝子多型性の特定の遺伝子タイプと肝癌の発生、CYP1A1 Exon7遺伝子多型性と胃癌の発生に相関が見られ、現在詳しい解析を進行している。しかしながらCYP2E1、GSTM1と胃癌には関連が見出されていない。(Cancer、Therapeutic Research、Biomedicine & Pharmacogenetics)
これらより、癌の早期発見や転移の予測の可能性、疾病の原因が遺伝子の変異(宿主側の因子)で起る可能性が示されたため(東京都医師会雑誌)、今後この分野の研究の重要性が判明したと考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shunji Kato,et al: "Genetic Polymorphisms of the Cancer Related Gene and Helicobacter pylori Infection in Japanese Gastric Cancer Patients : An Age and Gender Matched Case-Control Study" Cancer. 77. 1654-1661 (1996)

  • [文献書誌] 加藤俊二、その他: "萎縮性胃炎、腸上皮化生、胃癌SEQUENCEにおけるHelicobacter pylori感染と遺伝子多型性分析" Theapeutic Research. 17. 4232-4238 (1996)

  • [文献書誌] 加藤俊二、山下精彦: "宿主因子(遺伝的素因)と病気:遺伝子の多様性による宿主側の因子からみた癌や疾病の発生" 東京都医師会雑誌. 49. 67-69 (1996)

  • [文献書誌] 加藤俊二、その他: "「Mitomycin C-DNA複合体の体内分布(臓器分布)と経時的変化:ヒトおよびラット正常組織におけるMitomycin Cの影響」" 癌と化学療法. 23. 1031-1037 (1996)

  • [文献書誌] Kato S.,et al: "Genetic polymorphisms of cancer related-genes for gastric and esophageal carcinogenesis" Recent Advances in Gastro-enterological Carcinogenesis I (ed.E.Tahara). 317-320 (1996)

  • [文献書誌] Kato S.,et al: "Helicobacter pylori infection and genetic polymorphisms for cancer-related genes in gastric carcinogenesis" Biomedicine & Pharmaco-therapy. (in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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