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1996 年度 実績報告書

潰瘍性大腸炎における一酸化窒素の変動と薬剤抵抗

研究課題

研究課題/領域番号 07671433
研究機関日本医科大学

研究代表者

笹島 耕二  日本医科大学, 医学部, 助教授 (80158930)

キーワード潰瘍性大腸炎 / 一酸化窒素 / nitrate / nitrite / nitric oxide
研究概要

潰瘍性大腸炎(UC)の原因として、Tリンパ球やマクロファージを中心とする免疫系の活性化、さらに直接大腸粘膜に作用し障害を起こす一酸化窒素(nitric oxide,NO)や活性酸素の上昇が報告されている。本研究ではUC患者治療中の血中および尿中のNOを最終産物であるNO_2、NO_3として、さらに血中の炎症性サイトカインを測定し、それらの変動から治療効果と病期決定について検討した。NOは活動期に有意に高値を示し、健常人の約2〜5倍であった。ステロイド剤投与後、NOは低下したが、NO_2の優位な上昇がみられ、これはUC粘膜ではpHが低下しNOからより強力な細胞障害を起こすパーオキシナイトライトやOH^-の産生亢進を示している。寛解期ではNO_3、NO_2ともに低下した。活動期の血中サイトカインはTNF-α、IL-2,IL-3,IL-6の上昇がみられ、UC粘膜における免疫系の活性化、すなわちヘルパー・1T細胞優位であることが考えられた。寛解期ではこれらのサイトカインは検出されず、ステロイドは炎症細胞、および上皮細胞のサイトカイン、NOの産生を抑制する効果を示した。一方、ステロイド耐性例では、NOは高値を持続し、NO産生酵素の活性化に違いのあることが示唆された。最近の知見で活動期UC患者の血清から抽出したDNAはアガロースゲルを用いた電気泳動で断片化を示し、血中のサイトカインも上昇することから、潰瘍形成はNOやフリーラジカルによる上皮細胞のアポトーシスであることが考えられた。今後UC粘膜における免疫系の活性化、NOなどのフリーラジカルの産生上昇と上皮細胞のアポトーシスとの関連の解明が望まれる。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Koji Sasajima: "Changes in Urinary Nitrare and Nitrite during Treatment of Ulcerative Colitis" Digestion. 57. 170-173 (1996)

  • [文献書誌] Koji Sasajima: "Increases in Pulmonary Artery Pressure and Cardiac Output Due to the Inhibition of Nitric Oxide Synthesis During Operative Stress" Surgery Today. 25. 927-929 (1995)

  • [文献書誌] Shinhiro Takeda: "The effect of preoperative high-dose methylprednisolone administration in attenuating the metabolic response following oesophageal resection" Eur.J Surg. (in press).

  • [文献書誌] 笹島耕二: "細胞死からみた食道癌手術侵襲と合併症" 侵襲と免疫. 5. 5-9 (1996)

  • [文献書誌] 笹島耕二: "一酸化窒素" 臨床消化器内科. 10. 1565-1568 (1995)

  • [文献書誌] 笹島耕二: "外科医からみた手術侵襲" 日本臨床麻酔学会誌. (印刷中).

  • [文献書誌] Masao Miyashita: "The immune consequences of trauma,shock and sepsis. Mechanisms and therapeutic approaches." Faist E,Bane AE,Shilberg FW, (1996)

  • [文献書誌] Takeshi Matsutani: "The immune consequences of trauma,shock and sepsis. Mechanisms and therapeutic approaches." Faist E,Bane AE,Shilberg FW, (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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